今後は、コンピューターを用いた学習がスタンダードになっていくと思われえますが、通信機器にはモバイルルーターと言う物があります。


 インターネットに馴染みのない人だと 【 これって何? 】 と思われるかもしれませんが、モバイルルーターというのは、ネットワークのルーティングを行う機材になります。

 個人でもそうした物を使う機会が今後は増えるでしょうし、何よりも、そうした物を使うことが前提になるので、今回は、少しネットワークについて書こうかなと思います。


P Cのネットワーク                   

 ネットワークというのはデータ通信を行うために機材同士を接続して通信を行う為の物になりますが、これがパケットと言う単位になると何のことだかピンと来ないと思いますが、パケットと言うのも伝送時には信号の伝達なので、信号の伝達手段と考える事ができます。

 信号の伝達には色々ありますが、昔から存在するのがRJ-45端子を使ったワイヤードな環境です。


■ ワイヤード(有線)の接続            

 RJ-45というのはLAN端子と呼ばれるもので、現在はPCだけでなく、ゲーム機にも標準実装されていますが、固定回線でネットワークケーブルを使って機材を接続することで通信を行う事ができます。この利点は、PCのある周辺での電波障害が発生しても全く影響を受けないという点になりますが、こうした接続だと、電気工作の配線と同じように物理的に信号を伝達している部分が存在しているので、そこが破損しない限りは伝送部分での障害は発生しません。この障害というのは、LANだとPCからスイッチングHUBを接続するような部分になりますが、無線環境も含めて考えると、WANと同様でPCとルーターを接続する相互の送受信における通信部分になります。

 ワイヤレス環境の場合、電波障害が起きると、この無線ルーターまでの接続が切断されるので外部の影響を受けやすいという問題があります。その為、ゲーミングのように安定してパケットの大きなものを扱う場合だと、有線接続にしたほうが安定しますし、速度低下も置きません。

 個人がRaspberry PI4 ModelBやBGAの省電力なマシンとPCを用意して2台のマシンが通信できるようにLANを組んでサーバクライアントシステムを作ってテストをする場合だと、有線接続のほうが安定しますし、外的要因による通信部分(この場合ワイヤードの環境だとLANケーブルが行っている伝送部分)に障害が出る場合、物理的な破損のみですから、ワイヤレス環境のように帯域が同じ電波が流れた場合に干渉してパフォーマンスが下がったり、通信不能になる事はありません。

 この規格ですが、有線という事は配線を使うので、電子接点で信号を接続しています。この時に使われているのが、8P8Cと言うコネクターになります。このコネクタは共通していますが、配線の並びを入れ替えるとPC間で通信が行えるクロスケーブルを作る事もできます。(ただし、現在はこうした使い方をする以外にも色々な方法があるので、LANやWANを使いながらデータの転送を行う場合、違う選択を用いることの方が多いですが、PC同士の通信も可能です。)

 基本的に、LANを構築するためのイーサーネット用のチップがどの規格に対応しているのかで送信速度が異なります。

 PS3の時代にはゲーム機でも1000BASE-TのRJ-45端子を実装しているので、現在の製品でNICと言うとこれになります。

 この時に、ケーブルもそれに対応した物を選ぶ必要があるので、1000BASE-Tだと、カテゴリー5eや6以上の物柄お選ぶ事になります。カテゴリー6Aや6eでは、10Gbpsにも対応しているので、最大通信速度が10Gbpsになるので、少し先には標準実装されていそうな製品に対応する場合だとケーブルは速度の出る物を選んでおくといいかなと思います。この辺りは予算で考えることになりますが、10Gbpsの速度は必要ないが100Mbpsだと困ると言う条件だと、ケーブルの選択がカテゴリー5eかカテゴリー6になります。

 その為、ケーブルだと何でも同じという訳ではありませんから、速度の出るケーブルを選ぶ事になります。


■ ワイヤレス(無線)の接続             

 無線接続の場合、無線通信ようのプロトコルが存在しているので、それを用いて通信をしています。データ通信で使用されているのはIEEEが策定したIEEE 802と言う規格になりますが、無線のデータ通信ではWifiを用います。

 このWifiについては、IEEE 802.11と言う物になり、策定された規格で末尾の英数字が異なります。最初に登場したのが、1997年に策定されたIEEE 802.11になりますがその後、IEEE 802.11aが登場します。これが、20MHzで54Mbpsの知余になります。5.15~5.35GHz(これは屋外だと免許が必要になります。)と5.47~5.725GHzに対応となりますが、現在のWifiで使用されているOFDM方式が採用されています。その後、IEEE 802.11bなども登場しますが、これは、11Mbps/22Mbpsになりますが、DSSSやCKKと行った変調方式を採用しています。この二つが、前の世紀に登場した物になりますが、21世紀になっても暫くはこの2つしかなく、2003年に54Mbpsで動作するIEEE 802.11gが策定されます。これはIEEE 802.11aと同様に20MHzのチャンネル幅で、IEEE 802.11bと同じく2.4~2.5GHzの帯域で通信する物になっています。この策定が2003年になりますが、コンシューマでも使用できる物としてIEEE 802.11nが登場します。これは、

 ■ 2.4~2.5GHz
 ■ 5.15~5.35GHz(屋外利用は免許が必要)
 ■ 5.47~5.725GHz(使用するには免許が必要)


と言う三つの帯域に対応しており、速度も別次元に高速化しており、65Mbps~600Mbpsまで対応しています。

 それまでは1ストリームしか対応していなかった通信も1~4まで拡張され通信においてもメリットが増えました。また、帯域も20MHzと40MHzが使えるようになります。

 中古品や古い製品は別ですが、現在ラインナップされている無線ルーターなどはこのIEEE 802.11acをサポートしています。

■ 少し先の規格                    
  
 今後はモバイル製品はセルラーモデルだと5Gの製品が増えますが、wifiについてもWifi6でIEEE 802.11axを使えるようになります。 

 IEEE 802.11axについては、

 ■ Vol.80 Wi-Fiの新規格「IEEE 802.11ax」とは?
  【 ELECOM 】
   https://www2.elecom.co.jp/network/wireless-lan/column/
   wifi_column/00080/


  ■ 「IEEE 802.11ax」が“期待外れのIEEE 802.11ac”とは違うこれ

    だけの理由  【 TechTaeget Japan 】
    https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1908/05/news09.html

で詳しく紹介されていますが、この規格では

 ■ 高速
 ■ 同時通信をしても快適に動作する
 ■ 省電力


と言うメリットがあります。と言っても、IEEE 802.11acの製品ほど安価な物はありませんから、結構高額です。

 ワイヤードの環境については、カテゴリー8のケーブルを使うことが前提になりますが、40Gbpsの通信が可能になります。ちなみに、10Gbpsの環境については、

 ■ いよいよ普及!次世代高速ネットワーク 10GBASE-Tの

   基礎知識  【 パソコン工房 】
   https://www.pc-koubou.jp/magazine/822

で説明されていますが、このインフラについては、RJ45ではなく異なる端子になるので、使用する物が変わってきます。また、PCI Expressのx4のレーンを使うので、使用しているPCでx4を使った場合、GPUが刺さっている場合、16+4で20になるのですが、この組み合わせで運用できるようなレーン数の組み合わせがあるのかも注意すべき点です。また、NVMe接続があり、これを加えると、レーン数の構成の関係でGPUの接続がx8の速度まで置落ちる(帯域が半分になる)場合もあるので、構成によって拡張パーツの洗濯も考える必要があります。

 現在出ている製品だと10Gbpsのものが個人向けでも購入できますが、前述のように40Gbpsの通信が可能な規格があるので、有線が無線よりも高速になる事はありません。と言うのも、サーバソリューションを組む場合にシステム間の通信を無線にすると安定しないので、有線を使いますが、ここが遅いと処理能力が下がるので、当然のようにエンタープライズ製品だと有線インフラが高速になってもらわないと困るわけです。そうなると、エンドユーザー向けのサービスが高速化すれば当然のように負荷が高くなるので、サービスを運用するインフラのデータ通信用のワイヤードな環境の規格も高速化する訳です。

 
■ 通信方式の違い                  

 モバイル製品にはセルラーモデルとWifiモデルがありますが、前者がLTEで後者がWifiになります。前者は、

 ■ 高速
 ■ 他接続
 ■ 低遅延


を目的に作られた規格ですが、スマホの通話用のインフラクチャ―がこれになります。その為、基地局経由で通信をしているので固定回線のある場所まで配信を伸ばしてそこを基準にWifi対応のルーターに接続するのとは通信の方式が異なります。

 冒頭で 【 モバイルルーター 】 について触れましたが、この通信はIEEE 802ではなく、LTE接続をするルーターで、SIMカードを使って月額料金を払う事で最寄りの基地局と接続して通信ができる物になります。

 スマホやタブレットでLTE接続をすると、パケット代金がかかりますが、モバイルルーターも同様のコストがかかります。昔の通話端末の酷いLTEと異なりプラチナバンドにより遮蔽物が合っても通信可能になはっていますが、スマホで発生する障害と全く同じ現象がモバイルルーターでも発生します。

 これは、セルラーモデルのタブレットやスマホで通話用の回線であるLTEを用いた場合、基地局へのパケットの同時接続が発生すると恐ろしく遅くなったり繋がりにくくなりますが、モバイルルーターもSIMカードを使って通話ができる状態にしてから、基地局に接続する仕様になっていますから、スマホがつながりにくい時にはモバイルルーターも繋がりにくくなりますし、接続障害っが発生すると、全く繋がらなくなります。

また、LTEは常に快適な通信環境を提供できるわけではありません。

 同じ通信会社であっても利用するエリアや対応機種によって最大通信速度が変わりますし、まざまな外部環境に影響されやすい点がLTEのデメリットと言えるでしょう。

 wifiも電波障害が出ると繋がらなくなったり、速度低下が発生することもありますが、LTEはそれよりも影響を受けやすく、地域で速度が違うと言う問題もあります。 

 あと、付運会社が利用している周波数とルーターの周波数が合っていないと通信速度面でルーターの性能がスポイルされることがある

ので注意が必要です。
 
 基本的に、LTEは速度保証がされているものではないので、RJ45のように理論値が高いものの、速度が出る時には安定して特定以上の速度が出るようなものではなく、外部環境の変化によって乱高下するようなインフラなので、安定した通信ができるインフラではありません。それを踏まえて使うことになりますが、固定回線経由でWifiを接続した状態と比較するとかなり不安定な状態になります。

 この時に、SIMを刺して使うことになるのですが、モバイルルーターでシングルSIMとデュアルSIMの製品があるので、二重にコストがかかる物の異なる通信会社のSIMを刺して基地局を広くして使う事もできますし、単体で使う場合だと、サポートエリアが広く、対応した地域が多いSIMを使うことになります。ネットのインフラが来ていない地域もありますが、LTEもサポート対象外の場所があるので、何処でも繋がるという訳ではありません。

 Wifiは前述のように有線接続のLANを無線化した無線LANと呼ばれるものになりますから、端末間の通信ができますが、LTEと言うのは基地局と端末を接続する仕様のものになるので異なります。

 モバイルルーターというのは、このLTE回線と端末のWifiを接続するための製品になります。その時の回線の使用料金が発生しますが、これがSIMによって決まります。

 Wifiの場合、【 ソリューション全体の通信速度 】で速度差が出ます。つまり、

 ■ 契約回線の速度
 ■ Wifiルーターの速度(1000BASE-T以上)
 ■ ケーブルの速度(カテゴリー6以上)
 ■ 端末のWifiの速度


の三つで速度が変わります。

 基本的に固定回線でWifiを使う場合、無線LAN対応のルーターを使うので、モデム側が遅いようだとそこでボトルネックが発生するので速度が出ません。ボトルネックが発生しない場合、速度が出る状態で伝送されていますから、このモデムからLANで信号を伝送するとその速度が維持されます。ここで、無線ルーターとモデムを繋ぐ為のケーブルが必要になります。この二つを並べても無線環境だと影響がないので、短いケーブルを使うとしても有線LANと同様に伝送速度が速いケーブルを使うことになるので、カテゴリー6か6e以上のケーブルを使うことになります。

 そして、送信された信号が高速でも、その速度がルーターでスポイルされてしまっては全く意味がありませんから、ルーターも高速な状態で入力が行われる必要があります。ここでボトルネックが発生しない状態で、はじめて、サービスで出る最速の状態でデータの送受信ができる状態になります。

 ここからWifiを使うので、このWifiの理論値がどの程度なのかも関係しますが、理論値からかけ離れた速度だと問題があるので、wifでの送受信の速度が出るルーターを選ぶ必要があります。

 ルーターまでの送受信でボトルネックが発生しない場合、端末のwifiの通信速度が高い場合、用意したインフラの速度は担保されるので、通信を行った場合、実測値が担保されることになります。このルーターまでの作りがLANに該当し、モデムから向こう側がインターネットのサービスプロバイダーの回線になるので、広域ネットワークのWANになります。

 このWANとの接続がISPとの固定回線なのか、LTEの基地局を使った接続なのかで通信が異なりますが、モバイルルーターの場合は後者になります。

 Wifiの場合、通信容量による制限がなく自由にインターネットに接続できるますが、電波が障害物に当たると途切れます。

 LAN側で無線インフラを作る場合、wifiになるのですが、このwifiの選択にはスマホのテザリングなども含まれます。これはスマホをルーターとして使用して通信する手法になりますが、SIMで通信会社の通話用の基地局に繋いでWANに繋いでいるのでモバイルルーターと行っている事は同じになります。つまり、テザリングをバッテリーの持ちがいい状態で運用できる通信用の製品がモバイルルーターという事になります。

 LTEはWifiと異なり免許制なので個人で構築できる物ではなく、企業のインフラを使うのですが、SIMでWANに繋ぐ部分がLTEになります。その為、個人が家庭内でネットワークを組む場合にLTEを使う事はありません。

 また、LTEは容量の上限が設けられており、それを超えると速度が低下します。そして、上限を超えても使用する場合には追加の通信容量を飼う必要がります。その為、固定回線+WifiルーターでのWifiの環境と比較すると高額になります。

 遮蔽物がないプラチナバンドを屋外で使う場合だと、容量の上限に達していない状態ではLTEは繋がりやすいのですが、WIfiと同様に一つの基地局にアクセスが密集すると繋がりにくくなります。その為、無線通信インフラというのは自分だけがそこに繋いでいるわけではないので、有線インフラの固定回線のような安定した通信速度が出ないという問題があります。この特性は無線のインフラに共通していますが、LTEの場合だと、地域間で速度差があるので、固定回線のような速度保証がありません。(ベストエフォートでも速度差が極度に出るようだと問題があるので、桁が違うような速度しか出ないインフラで契約はしていないはずですし、そうしたインフラだと是正勧告が来るはずです。)その為、安定した動作だと固定回線を使うことになります。

 また、LTEの場合、容量で契約しているので、パケットの量がその容量に達すると信じがたい遅さになります。その為、高速回線で特定の容量までという契約方式になっています。この条件があるので、動画などを見るとあっという間に容量を消費することになります。
 


■ とりあえず                      

 モバイルルーターが配布されますが、基本的にLTEと家庭内のLANや端末を雪像するための機材で、スマホでテザリングを行うのと同じような処理を行っている機材になります。

 LTEなので、SIMを使いますが、通話をするわけではありませんから、用意するSIMはデータ通信SIMになります。

 データ通信のSIMは

 ■ 回線方式
 ■ 容量


が書かれていますが、この容量を超えると速度が低下します。つまり、10GBのSIMを購入した場合だと、40GBのファイルをダウンロードしようとすると速度低下が発生するので対応できなくなります。

 ストリーミングの場合は、通信速度はbpsで表示されていますが、このストリーミング時の受信している速度を8で割った数値が容量になります。秒間に8Mbpsだと秒単位で1MB消費しているので、10GBだと1000秒までという事になります。と言っても、接続時のパケットの消費分もあるので、容量を結構消費してしまうことになりますから、現在のように10GBと言う容量が小さな容量と化している時代で考えると、SIMの容量は大きくしておく必要があります。
 
 回線については、カバーしていても地域で速度が違うので、4GLTEと言っても地域で出る速度が違うことに注意が必要ですが、モバイルルーターでサポートしている回線のSIMを選ぶ事になります。

 基本的にスマホの通話回線やデータ通信というのは容量に無駄な値段がかかるので、個人的にはどうなんだろうか?と思ってしまいますが、地域によってはコストのわりにパフォーマンスがそれほど良くないと感じるかもしれません。(屋外で使わない場合、固定回線でいいので、特にそう感じるはずです。)

 基本的に、wifiやLTEと言うのは屋外での利用を想定している物になりますから、屋外の無線通信用のインフラになります。その時に、Wifiはホットスポットのように解放されている公衆LANが必要になりますが、LTEの場合だとこれが通信会社の基地局になります。そして、公衆LANだとwifiで繋がるのでパケットの容量の消費はありませんが、LTE回線だと容量の上限があるので、Wifiよりも割高になります。