先日、
でGIMPの紹介をしましたが、現在の2.10.18では、UIも刷新されています。今回は、GIMP 2.10.18のUIや新機能などについて書こうかなと思います。
U Iの刷新
ソフトを立ち上げると一番最初にアイコンの変化に目が行きますが、
のようにすっきりとしたUIになっています。一体化して表示を行った場合、左ペインがツールとそのプロパティーになり、中央がキャンバスで、右ペインがレイヤー関連委なります。そして、表示については、下部にある
今回から、ブラシは、
のようにMyPaintが追加され、ペンの選択が可能になりました。従来のブラシの形状とは別に、こうしたペイント用のブラシが追加されているので、ペンタブレットや液晶タブレットなどを使ったデジ絵を描きやすくなりました。GIMPも筆圧感知対応なのでワコムの製品を使うとそのまま利用できる(XP-PenやGAOMONの製品は試していないので良く解りませんが、以前のバージョンでIntuos Proを用いた場合、フツーに入りと抜きを筆圧でコントロールできていました。)のでイラストを描く場合にも直感的にブラシを選んで描けるようになっています。
アイコンですが、種類別にまとめられており、手書きの場合、
のように従来のブラシとは別に前述のMyPaintブラシが追加されています。各項目は機能ごとに分類されており、右クリックで変更できるのですが、
のようになっています。
■ ぼかし/シャープ
については、ブラシで効果を追加できるのですが、部分的にシャープにしたりぼかす事ができる機能で、
■ 暗室
は、ブラシで部分的に、
■ 焼き込み
■ 覆い焼き
を追加できます。そして、変形については、3D変形が追加されました。
フ ィルターの適応
フィルターを適応する場合は、メニューから選択することになりますが、先日紹介したように
のような感じで照明効果を追加できますし、
のように画像に対して色々な効果を追加できます。アニメーションを選択すると、動きのあるものを出力できますが、球体にマッピングをして回転させるようなアニメーションなども作れます。
レ イヤー
レイヤーのコントロールは、上下のアイコンなどで調整しますが、下にある
の部分で新規レイヤーなどを追加できます。左端のが新規レイヤ―の追加で、その横がレイヤーグループの追加になります。レイヤーはそのまま追加すると、個別に表示・非表示を行う事になりますが、
のようにグループ化して管理することができます。その横の上下の矢印はレイヤーの階層の変更で、その横にあるのがレイヤーの複製になります。
そして、レイヤーが複数あって下の矢印の付いたアイコンは
【 現在のレイヤーと一つ下の可視レイヤーを統合する 】
事ができます。その横の顔のアイコンがマスク処理で、その横のXのアイコンがレイヤーの削除のアイコンになります。
レイヤーパレットの上部は、レイヤー効果と他の機能のタブが用意されていますが、レイヤーは下のレイヤーに対して任意の効果を追加して合成することができます。これについては、以前書きましたが、
のように透明度と効果を指定できます。モードを選択すると、
のように効果を選択できますが、そのレイヤー効果を適応した状態で下のレイヤーと合成できます。効果を適応した場合、
のような感じの処理もできます。
レ イヤーパレット上部のタブ
上のタブですが、レイヤーの横にあるメーターのアイコンがパフォーマンスモニターで、
のようにCPUとメモリーの使用率の他、キャッシュファイル(物理メモリー領域の割り当ての範囲で使用できる一時ファイル。設定の項目のタイルキャッシュで割り当てることで容量を多くできます。物理メモリー領域なので、HDDやSSDのようなストレージにアクセスする訳ではないので、タイルキャッシュの容量を多くするとパフォーマンスが向上します。この時、実装メモリーの半分か、実装メモリーから4GBを差し引いた容量を割り当てることになります。16GBの製品だと、8GB位割り当てても問題はなく、32GBだと24GB位割り当てても平気ですが、8GBだと4GB位に抑えたほうが良く、4GBだと、2GBや1.5GB位にしないと無理が来るので、メモリー実装量が少ない製品だと解像度の高い画像を扱うと処理が遅くなります。)
スワップと言うのはWINDOWSの仮想メモリーの事ですが、Linuxユーザーの方だと、インストール時に割り当てるスワップ領域と同じです。その為、仮想メモリーとスワップ領域は全く同じでストレージでメモリーの不足分を補填する機能で前の世紀から存在するテクノロジーになりますが、ストレージへのアクセスが発生すると遅くなるので、大容量のメモリー環境のほうが作業が行いやすくなります。
その横にあるのが、グラデーションの選択になります。
その横が、グラデーションエディタになります。
変 形
ラスターグラフィックではレイヤー単位や選択範囲のオブジェクトを変形できますが、
のような素材を用意した場合、画像を線画に適応する場合だと、線画のパースと線画内のオブジェクトのサイズが合っている場合、テクスチャーのように画ぞを貼り付けることができます。前の世紀からフォトショは存在していますが、そうした処理を用いて平面を立体的に配置することができました。GIMPの場合、遠近法を用いて変形しますが、
のようにパースを付けることができます。これを鏡面にしたり、角度を変えると、
のような状態にできますが、これはパース線に合わせて変形させる疑似的な処理になります。今回のバージョンでは、
にあるように3D変換が可能になっており、これを用いると、
のように軸指定と回転の指定ができます。
のように素材を回転させて配置できますが、この機能を用いると、板ポリゴンの角度を変えながら配置するような形状の生成できます。
ノンリニア編集ソフトのオーバーレイトラックでの素材の取り扱いはラスターグラフィックツールと全く同じなので、GIMPでレイヤー上のRGBAの素材を加工するのと同じような方法で調整を行うのですが、ノンリニア編集ソフトでのオーバートラックの変形については、GIMPの統合変形と同じ処理になります。
のような感じで、パースを付けるためのものとX,Yのいずれかを移動させてパースを付ける物と、軸回転を行うための物が用意されています。これを用いて、RGBAの素材を下の映像の面の部分と合成する場合、パースがついている場合、そのサイズに合わせて変形する必要があります。ノンリニア編集ソフトでは、コンポジットツールのように3軸の空間で構成されえ居ませんから、マッチムーブを行って板ポリゴンを配置して合成するような処理ができません。その為、パースの付いた場所に面を配置する場合だとこう言った変形を行って合わせることになります。
パースをつけるような処理だと、屋内にあるホワイトボードや黒板のような四角形の物を撮影すると映像内に面を用意できますが、その場所をマスクで切り抜いて、下のオーバーレイトラックで素材を重ねる作業を行うとします。この場合、平行投影のように正面から撮影してパース歪みがつかないような撮り方をした場合、平面をそのまま割り当てることができますから、これは字幕を入れる処理と変わりませんが、斜めになるように撮影して奥に消失点が存在するような一点透視図法で描いた時の壁面に該当する場所に面が存在する場合、長方形ではなく、奥に上底が向かっている台形になりますから、形状を変形する必要が出てきます。その時の変形のUIは、多くの場合、
のようになっています。