花は咲く | perfume room

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普段はきままに speech therapist そんな私の日常

花は咲く

私は臨床中、よく患者さんと歌を歌う。
歌唱は言語訓練ではないと言う方もいる。けれど、私はなかなか声を出してくれない方や失語の方とか、歌は最高の声を出す機会だと思っている。
失語の方が歌ってくれた瞬間の家族の喜びよう。歌はただ促通されただけで会話には結び付かないけれど、高齢者の失語や意欲低下の人は、改善に時間がかかる。家族にとっても苦しい時間は長い。そんな中、少しでも喜んでもらえる瞬間があっても良いじゃないかと思っている。

そのため、うちの病棟では決してうまくはない私の歌声がよく響いている。

そんな中、一週間ほど前に80才くらいの男性の入院患者さんから、花が..を歌いたいと言われた。
花が出てきそうな思い付く歌謡曲や童謡をいくつかあげるも違う。まさかと思いつつも花が咲くを歌ったらヒット。
確かにここ最近は特にテレビでも流れていたかもしれない。
覚えたいと、この一週間ほど私がキーボードを弾きながら一緒に練習。だいぶ歌えるようになってくれました。文句が多かったリハビリ時間が、いつも歌詞の紙を胸ポケットにいれて、楽しみにきてくれるようになった。

そして3/11。東北の震災から4年が経ちました。
私はこの4年間何をしてきただろう。

震災後、3か月と半年後の2回だけ宮城のSTがいない施設にボランティアに行った。
でも、帰ってきて本当に施設で求められたことを出来たのか。何か伝えられたのか、全く自信がなくて。

それから在宅では何が必要なのかを調べるようになった。訪問でSTをしていくにはどんなことが必要なのかを考えるようになった。

この4年間でしたこと。
医療職として最低限の対応が出来るように。BLS,ICLSを受講。
曲がりなりにも嚥下を専門にしてますと言えるように摂食嚥下学会の認定士をとった。
リハ医のいる病院に転職し、VFVEもほぼしていなかった以前の病院から最大限STとしてやれることを吸収できる環境に場所を変えた。
学会発表を年に2回するようにした。
大学院を受験した。

少しずつは前に進んではいる。
けれど..
花は咲くの歌詞にもある、私は何を残しただろう。
私は、まだ何も残してはいない。
歩き始めたつもりではあるけれど。あとは結果を残していかないと。