米国株、ダウ反落で117ドル安 アルコア6%下落
原油安も重荷
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落し、
前日比117ドル 53セント(0.9%)安の1万2263ドル58セントで終えた。
3月28日以来約2週間ぶりの安値水準となる。
前日夕に四半期決算を発表した非鉄大手の アルコア株に売りが膨らんだ。
原油相場の下落などを受けた石油株の下げも相場を押し下げた。
ダウ平均の下落幅は、
東日本大震災後の原子力発電所事故への不安からダウ平均が242ドル下げた3月16日以来、
約1カ月ぶりの大きさだった。12日のダウ平均は148ドル安まで下げ幅を広げる場面があった。
主要企業の先陣を切ってアルコアが前日夕に発表した1~3月期決算で売上高が市場予想を下回った。
失望感からアルコアが約6%下げた。今後、発表が本格化する企業業績への期待感にやや影を落とした。
原油先物相場が連日で大幅下落し、期近の5月物が2日間で6ドル超下げた。
エクソンモービルやシェブロンなどの石油株が収益の伸び悩み観測から下げ、
つれて素材株にも売りが広がった。
東日本で強い余震が続いているうえ、
日本の福島第1原発事故の深刻度を示す国際評価尺度が最悪の「レベル7」に引き上げられた。
日本や欧州の株式相場が大幅安となり、米株式市場でもリスク回避のため株式を手放す動きが見られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落し、
前日比26.72ポイント(1.0%)安の2744.79で終えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約9億5000万株(速報)、
ナスダック市場は約17億8000万株(同)だった。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では
「エネルギー」や「素材」など9業種が下落した。
消費者向け事業からの一部撤退を発表したネットワーク機器大手シスコシステムズが買い先行後、
下げに転じて終えた。アナリストが1株利益見通しを引き下げた金融大手モルガン・スタンレーも小安い。
広告表示機能を備えた廉価の電子書籍端末「キンドル」を米国で発売すると前日夕に発表した
インターネット小売大 手アマゾン・ドット・コムも軟調だった。
一方、前日夕に増配を発表したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇。
米証券取引委員 会(SEC)に提出した資料で、日本からの部品供給が滞る可能性はあるものの、
業績への重大な影響が出るとはみていないと指摘した自動車大手フォード・ モーターも小幅に上げた。
(日経新聞マネー 4/13 6:30)