NY円、リスク回避で円買い




7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発した。

前日比55銭円高・ドル 安の1ドル=84円90銭~85円00銭で取引を終えた。

日本の宮城県で地震があったと報じられたことが投資家のリスク回避傾向につながった。

米金利が低 下すると円買い・ドル売りが入った。

 

米金利が上昇した朝方には日米の金利差拡大を手掛かりに円が軟調に推移する場面があった。

ニューヨーク市場で円は85円41銭まで下げる場面があった。

 

午前中ごろに宮城県で震度6の地震があり、

津波警報が出たと報じられた。米株式相場が急速に下げに転じ、米長短金利も下げた。

このところ増えていた低金利の円を借りて高金利通貨で運用する

「円キャリー取引」の持ち高を手じまう円買いもあったとみえ、円は一時、84円60銭まで上昇した。

 

円 は対ユーロで3営業日ぶりに反発し、

前日比90銭円高・ユーロ安の1ユーロ=121円55~65銭で取引を終えた。

欧州中央銀行(ECB)が同日開いた理 事会で0.25%の利上げを決定したが、

理事会後の会見でトリシェ総裁が連続利上げに消極的とも受け取れる発言をしたと報じられた。

日本の地震を受けてリ スク回避の動きが広がり、

相対的に金利が高くリスク資産とみなされるユーロに対して円が買い戻された面もあった。

 

ユーロは対ドルで3営業 日ぶりに反落した。

前日終値と同じ1ユーロ=1.43ドル台前半で水準を切り下げた。

トリシェ総裁の発言を手掛かりにユーロが売られた。

前日にほぼ1年3 カ月ぶりの高値を付けた後とあって、利益確定売りも出やすかった。

前日夕にポルトガル政府が欧州連合(EU)に資金支援を要請したと伝わった。

ただポルト ガルの財政問題は既に織り込まれていたとの見方もあり、

これを手掛かりとしたユーロ売りは限定的だった。ユーロの安値は1.4243ドル。高値は 1.4326ドルだった。

 

(日経新聞マネー 4/8 6:51)