米国株、ダウ32ドル高 2年10カ月ぶり高値 金融・ITに買い




6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、
前日比32ドル85セント(0.3%)高の1万2426ドル75セントと2008年6月5日以来、
約2年10カ月ぶりの高値で終えた。
世界的な景気回復を背景に企業業績の改善が続くとの期待から、
金融やIT(情報技術)株を中心に買いが優勢となった。
 
ドイツ銀行など欧州の大手銀の数行が資本増強計画を発表したと伝わった。
資本増強は中長期的に銀行の財務・業績の改善につながるとの見方から欧州の銀行株が総じて上昇。JPモルガン・チェースなど米金融株にも買いが波及した。
 
株価の低迷が続いているネットワーク機器大手シスコシステムズの
チェンバース最高経営責任者(CEO)が、業務改革に取り組む姿勢を示したと報じられた。
収益改善期待からシスコ株が約5%の大幅高となった。
アナリストによる通信系半導体大手ブロードコムの投資判断引き上げもあり、
IT株全般に買いが優勢となった。
 
ただ、主な株価指数は小安く推移する場面もあった。
このところ株価上昇が続いた素材株やエネルギー株の一角に利益確定売りが出たことが重荷となった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、
前日比8.63ポイント(0.3%)高の2799.82と2月18日以来の高値で終えた。
 
業種別S&P500種株価指数は全10種のうち「金融」や「公益」など6種が上昇。
一方、「エネルギー」や「素材」が下げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億9000万株(速報値)、
ナスダック市場(同)は約19億9000万株だった。
 
金融株ではクレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)や
JPモルガンがそれぞれ2%あまり上げた。
IT株ではマイクロソフトも高い。
ただトヨタ自動車と共同で次世代の車載情報システムの構築に取り組む
と正式発表したことへの株価の反応は乏しかった。
 
トヨタの米預託証券(ADR)は小安い。
四半期決算で売上高が市場予想を下回った農業製品大手モンサントは大幅安。
前日夕に1~3月期決算が赤字になる見通しと発表した
風力発電部品大手のアメリカン・スーパーコンダクターが急落した。
(4/7 6:18)