NY円、続落 1ドル=85円45~55銭 日米金利差の拡大で売り



6日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落し、
前日に比べ65銭円安・ドル高の1ドル=85円45~55銭で終えた。
米長期金利の上昇を受け、円売り・ドル買いが優勢になった。
円は一時85円50銭まで売られ、
東京市場で付けた昨年9月21日以来の安値(85円53銭)に迫る場面があった。
 
インフレ懸念などを背景に米長期金利の指標である10年物国債の利回りが約1カ月ぶりの水準に上昇。日米の金利差が拡大するとの観測から、円売り・ドル買いが出た。
円が目先の節目とみられていた85円ちょうどを超えて下落したことで、
損失限定目的の円売りも巻き込んだという。
 
東日本大震災の影響で、
日銀が緩和的な金融政策を米国よりも長期間にわたって維持するとの見方も、
引き続き円相場の重荷になっている。
 
株式市場でダウ工業株30種平均が2008年6月5日以来の高値を付けた。
原油先物など商品相場も上昇し、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方が広がった。
低金利の円を借りて高金利通貨などで運用する「キャリー取引」も円相場を押し下げた。
 
この日の円の高値は85円16銭だった。
 
円は対ユーロで大幅に続落し、
前日比1円80銭円安・ユーロ高の1ユーロ=122円45~55銭で終えた。
欧州中央銀行(ECB)が7日に開く理事会で利上げに踏み切り、
その後も利上げを続けるとの観測を背景にしたユーロ買いが続いた。
ドイツの2月の製造業受注が市場予想以上に増えたこともユーロ買いを誘った。
一時は122円62銭と10年5月5日以来、約11カ月ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。
 
ユーロは対ドルで続伸し、
前日の1ユーロ=1.42ドル台前半から1.43ドル台前半に水準を切り上げた。
ECBの利上げ観測が強まる一方、
米連邦準備理事会(FRB)が当面は緩和的な金融政策を維持するとの見方から
ユーロ買い・ドル売りが優勢になった。
ユーロは1.4350ドルと10年1月19日以来ほぼ1年3カ月ぶりの高値を付ける場面があった。
 
ポルトガルのソクラテス首相が、
欧州連合(EU)への金融支援要請を決めたと発言したと伝わった。
市場では財政悪化に苦しむポルトガルが支援を要請するとの観測がもともと強かったため、
発言を嫌気したユーロ売りは目立たなかった。この日のユーロの安値は1.4273ドルだった。
 
オーストラリア(豪)ドルは対米ドルで上昇。
商品相場の上昇を背景に資源国通貨である豪ドルへの買いが膨らんだ。
オプション取引に絡んだ豪ドル買い・米ドル売りなども入り、
一時は1豪ドル=1.0452米ドルと1983年の豪ドルの変動相場制以降の最高値を更新した。
(4/7 6:39)