NY円、一時半年ぶり安値



1日のニューヨーク外国為替市場で円相場は7日続落し、

前日比90銭円安・ド ル高の1ドル=84円ちょうど~10銭で取引を終えた。

米雇用情勢の回復期待から円売り・ドル買いが優勢となった。

円は一時84円73銭まで下落し、 2010年9月24日以来ほぼ半年ぶりの安値を付けた。

 

3月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比21万6000人増と市場予想以上に増えた。

失業率は前月比0.1ポイント低下し、8.8%となった。米労働市場が順調に回復しているとの見方から、

円売り・ドル買いが優勢となった。

 

ただ、売り一巡後は、円は下げ渋った。ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演で、

米景気は回復しているが、それ自体は金融政策の方向転換をする理由になら ないと述べたと伝わった。

足元で強まっていた米量的緩和政策の早期正常化の思惑がやや後退し、

ドルが売られた。円の高値は83円76銭だった。

 

円は対ユーロで大幅に5日続落し、

前日比1円95銭円安・ユーロ高の1ユーロ=119円60~70銭で取引を終えた。

欧州中央銀行(ECB)が、

4月7日 に開く理事会で利上げを決めるとの見方から円売り・ユーロ買いが優勢となった。

円は一時119円80銭まで下落し、10年5月10日以来の安値を付けた。

 

ユーロはドルに対して4日続伸し、

前日終値の1ユーロ=1.41ドル台後半から1.42ドル台前半に水準を切り上げた。

ユーロ圏の利上げ観測からユーロ買 い・ドル売りが優勢となった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言を受けて、

米金融緩和政策の早期の正常化の見方がやや後退したこともドルの重荷となっ た。

 

午前中は米雇用統計を受け、ユーロ売り・ドル買いが優勢となる場面があった。

ユーロの高値は1.4246ドル、安値は1.4062ドルだった。

 

(日経新聞マネー 4/2 6:33)