NY円、 FRB高官発言を受け



3月31日のニューヨーク外国為替市場で円相場は6日続落し、

前日に比べ30 銭円安・ドル高の1ドル=83円10~20銭で終えた。

米連邦準備理事会(FRB)の地区連銀総裁が金融緩和政策の見直しに相次いで言及し、

ドル買いが優勢になった。

円は83円23銭と11日以来ほぼ3週間ぶりの円安・ドル高水準まで売られる場面があった。

 

リッチモンド連銀のラッカー総裁 (米連邦公開市場委員会=FOMCの投票権なし)が講演で、

FRBの米国債購入について「見直すべき」と述べた伝わった。

ミネアポリス連銀のコチャラコタ 総裁(投票権あり)は米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューで

「2011年後半に0.75%の利上げが必要になりそうだ」と述べた。

FRBが緩和的な金融政策の正常化を早期に始めるとの観測が強まり、ドル買いが優勢になった。

 

朝方発表の週間の新規失業保険申請件数は前週比6000件減の38万8000件と、

減少幅は市場予想以上だった。

過去分の修正が一因だが、米雇用情勢が緩やかに改善していることに変化はないとの見方が強まった。

あす4月1日発表の3月の米雇用統計が改善するとの期待から、円売り・ドル買いを誘った面もある。

この日の円の高値は82円71銭だった。

 

円は対ユーロで4日続落し、前日比65銭円安・ユーロ高の1ユーロ=117円65~75銭で終えた。

ユーロ圏の3月のインフレ率(速報値)が前年同月比で 2.6%上昇し、

08年10月以来2年5カ月ぶりの高い伸びになった。

欧州中央銀行(ECB)が4月7日に開く理事会で利上げに踏み切るとの見方が強まり、

円売り・ユーロ買いが出た。

円は一時117円99銭と、10年5月13日以来、約10カ月半ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。

 

ユー ロは対ドルで3日続伸し、前日の1ユーロ=1.41ユーロ台前半から同後半に水準を切り上げた。

ECBの利上げ観測が強まったことを受けてユーロ買い・ド ル売りが優勢だった。

一方、FRB高官の発言を受け、

米金融緩和の早期正常化に対する思惑が強まったことから取引終了にかけては伸び悩んだ。

ニューヨーク 市場のユーロの高値は1.4228ドル、安値は1.4154ドルだった。

 

(日経新聞マネー 4/1 6:45)