NY円、 米当局発言や指標で
30日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5日続落し、
前日比40銭円 安・ドル高の1ドル=82円80~90銭で取引を終えた。
米国の金融緩和政策が早期に正常化に向かうとの見方が引き続き円売り・ドル買いを誘った。
円は欧 州市場で83円19銭と11日以来の安値を付けた後、ニューヨーク市場では83円15銭まで下げた。
カンザスシティー連銀のホーニッグ総 裁が同日、
現状の米金融緩和政策を継続すればインフレや資産バブルの懸念が強まるとの見方を示したと伝わった。
日本ではゼロ金利政策が当面続くとの観測が多い一方、
米国では金融当局者が金融政策の正常化を意識した発言を続けている。
日米の政策金利差が拡大するとの見通しが円売りの材料となった。
米雇用指標も円売り・ドル買いを誘ったという。
米民間雇用サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が
朝方発表した3月の雇用リポー トで非農業部門雇用者数(政府部門除く)が前月比20万1000人増えた。
市場予想なみだったが、
米金融当局が注視する雇用情勢は改善しており、
緩和的な 金融政策が終わりに近づくとの見方を強めた。この日の円の高値は82円77銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比70銭円安・ユーロ高の1ユーロ=117円00~10銭で取引を終えた。
円は欧州市場で一時117円28銭まで下げ、
2010年5月13日以来約10カ月半ぶりの安値を付けた。
ニューヨーク市場での円の安値は117円17銭だった。
欧州中央銀行(ECB)のビニスマギ専務理事が同日、
今後の政策金利の引き上げに言及したと伝わった。
ECBが次回4月の理事会で利上げを決めるとの見方 がユーロを押し上げた。
米株式相場が上げ幅を拡大した場面では、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの思惑が出た。
低金利の円を売って利上げ観測が広が るユーロを買う動きがあった。
ユーロは対ドルで続伸し、前日終値と同じ1ユーロ=1.41ドル台前半ながら小幅に水準を切り上げた。
ECBが米連邦準備理事会(FRB)に先立ち、
4月にも政策金利の引き上げに動くとの見方から、
金利の先高観が強いユーロが買われた。この日のユーロの高 値は1.4148ドル、安値は1.4052ドル。
(日経新聞マネー 3/31 6:42)