NY円、 対ユーロ10カ月ぶり安値



29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落し、

前日比75銭円 安・ドル高の1ドル=82円40~50銭と、この日の安値圏で終えた。

円は一時82円48銭まで下落し、

主要7カ国(G7)の金融当局が今月中旬に円売り介入を実施して以降の安値を付けた。

米国の金融緩和政策が近く正常化へ向かうとの思惑から円売り・ドル買いが出た。

 

セントルイス連銀のブ ラード総裁(金融政策決定の投票権なし)が同日、

量的緩和策の一環である米国債購入策について、早期に終了する可能性を改めて示したと伝わった。

前週末から複数の米地区連銀総裁が米金融政策の早期正常化をにらんだ発言をしており、

ドルの先高観につながった。

 

米債券市場で長期金利が上昇すると日米金利差の拡大観測が強まり、円売りを誘った。

円の高値は82円13銭だった。

 

円は対ユーロで大幅続落し、前日比1円30銭円安・ユーロ高の1ユーロ=116円30~40銭で取引を終えた。

一時は116円39銭まで下落し、2010 年5月14日以来、

約10カ月半ぶりの円安・ユーロ高水準を付けた。

米株式相場の上昇を背景に投資家が運用リスクを取りやすくなるとして、

低金利の円を売 り政策金利の引き上げ観測が強いユーロを買う動きが出た。

 

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が午前、

ポルトガルとギリシャの長期債務格付けを引き下げた。

ただ両国の財政悪化問題は市場に織り込まれているとして、ユーロの売り要因にはならなかった。

 

ユーロは対ドルで上昇し、前日終値の1ユーロ=1.40ドル台後半から1.41ドル台前半に上げた。

インフレへの懸念を背景に、欧州中央銀行が米国に先んじて政策金利を引き上げる

との見方が引き続きユーロを支えた。この日のユーロの高値は1.4114ドル、安値は1.4047ドル。

 

(日経新聞マネー 3/30 6:36)