NY円 米緩和正常化の思惑



28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、

前週末比35銭円 安・ドル高1ドル=81円65~75銭で取引を終えた。

米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和政策の正常化に近く動く

との思惑から円売り・ドル買いが 優勢となった。

 

26日にセントルイス連銀のブラード総裁(金融政策決定の投票権なし)が、

米景気は堅調として、次回4月の米連邦公開市場 委員会(FOMC)で

量的緩和政策の終了について話し合うのは妥当と述べたと伝わった。

FRBが米量的緩和策の「出口戦略」を本格的に検討し始めるとの見方を誘い、

円売り・ドル買いが優勢となった。

 

2月の米個人消費支出(PCE)が前月比で市場予想以上に増加し、

小口の円売り・ドル買いが 出たという。

ただ、心理的節目の82円に近づく場面では円の下値が堅くなるといい、

ニューヨーク市場では81円台後半で方向感に乏しくもみ合った。

この日 の円の安値は81銭81銭、高値は81円61銭だった。

 

円は対ユーロで反落し、前週末比45銭円安・ユーロ高の1ユーロ=115円 00~10銭で取引を終えた。

トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が米東部時間の朝方に

「現状のユーロ圏のインフレ率は物価安定の定義が示すより高い」

と述べたと伝わった。

ユーロ圏の早期利上げ観測から円売り・ユーロ買いが優勢となった。

 

ユーロはドルに対して横ばい。

前週末終値と同じ1 ユーロ=1.40ドル台後半で終えた。

米金融政策が正常化に向かうとの思惑からアジア、欧州市場でドルが買われ、

ニューヨーク市場でユーロは安く始まっ た。

しかし、トリシェECB総裁の発言が伝わるとユーロ買いが優勢となり、

ユーロは下げ幅を縮めた。ユーロの高値は1.4116ドル、安値は1.4026 ドルだった。

 

(日経新聞マネー 3/29 6:42)