4月半ばまで個人確定申告の期限

投信経由で資金流入も



9時22分配信 フィスコ


投資家の不安心理を反映すると言われるS&P500変動率指数(VIX)は
東日本大震災による原発事故への懸念が高まり急騰した16日から25日 まで7日間連続で下落し、
この間の下落率は40%を超えて過去最大となった。
リスク回避の動きが緩和し、
米国株式相場は短期的な東日本大震災の影響を概ね 織り込んだと考えて良いだろう。
引き続き注視される要因ではあるものの、投資家の関心は徐々に他に移ることになりそうだ。

3月28日から 4月1日は四半期末及び月末・月初となることから、
経済指標の発表が多数予定されている。やはり3月雇用統計(1日)とADP雇用報告(30日)が注目さ れる。
雇用統計では失業率が前月比変わらずの8.9%、
非農業部門雇用者数は19万人増がエコノミストの平均予想となっている。
また2月中古住宅販売 (28日)や1月ケース・シラー住宅価格指数(29日)の
住宅関連や3月自動車販売台数(1日)などの発表が予定されている。
東日本大震災による部品供給不足で世界的に自動車生産は大きな影響を受けることが見込まれているが、
景気回復を背景に3月の販売台数への影響は殆どないとみられている。

主要企業決算は中古車販売のカーマックス(31日)や
教育関連のアポログループ(29日)などが予定されている程度で少ない。
しかしながら、四半期末となることで
1-3月期の業績見通しの修正が飛び出しやすいことには留意する必要がある。

25 日までで主要株式指数は年初来で約5%上昇しており、
中東情勢や東日本大震災、欧州信用不安などのリスク要因にも拘わらず高値圏を維持している。
4月半ば は米国の個人確定申告の期限であり、
例年、節税目的での年金資金への拠出が増加する。
投資信託を通じて株式相場に資金が流入する場合が多く、
5月ごろまで 相場を押し上げる要因となる。また好調な1-3月期企業決算が相次いだ場合には、
相場を一段と後押しすることになるだろう。
一方で、昨夏にバーナンキ FRB議長が追加量的緩和に言及してから株式相場はほぼ一本調子で上昇している。
このため6月の量的緩和終了が相場の転換時期になる可能性には警戒が必要 となる。