
米国株、ダウ反発67ドル高 素材株がけん引
海外の悪材料吸収
23日の米株式相場は反発し、
ダウ工業株30種平均の終値は前日比67ドル 39セント(0.6%)高の1万2086ドル02セントだった。
日本の震災復興が進めばアルミニウムなどの商品需給が世界的に引き締まるとの見方から、
素材株が上昇。不安定な北アフリカ・中東情勢など海外発の悪材料を受けた売りを吸収した。
素材株の値上がりが目立った。
製品需給の先行きに対する強気な見方がじわりと台頭。
アルミ大手のアルコアが3%超上げたほか、化学大手のスリーエムも上昇した。
業種別S&P500種株価指数で「素材」の上昇率は全10業種中で首位となった。
市場では北アフリカ・中東情勢に加え、ポルトガルの国家財政に対する懸念も根強かった。
米国内では午前発表の2月の新築住宅販売件数が過去最低を更新。
日本の福島第1原子力発電所の状況を見極めたいとの雰囲気も残り、
午前は売りに押される場面が目立った。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比14.43ポイント(0.5%)高の2698.30で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10 業種のうち7業種が上昇。
「素材」のほか「消費循環」や「IT(情報技術)」の上げが目立った。
「金融」と「ヘルスケア」、「公益」は下げた。
ニューヨー ク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億8000万株(速報値)、
ナスダック市場は約17億2000万株(同)だった。
個別銘柄では、経営トップが増配の方針を示した航空機・機械大手のユナイテッド・テクノロジーズが上昇。
資産売却を手掛かりに石油大手のコノコフィリップスにも買いが優勢となった。
ダウ平均採用銘柄では航空機のボーイングやマイクロソフトの値上がりが目立った。
一方、事業買収に伴う負担増への懸念などから日用品大手コルゲート・パルモリーブが小幅安。
米連邦準備理事会(FRB)から増配への承認を得られなかったことを受け、
大手銀行のバンク・オブ・アメリカが売りに押された。
(日経新聞マネー 3/24 6:25)