持ち高調整で



22日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに小反発し、

前日比 10銭円高・ドル安の1ドル=80円90銭~81円ちょうどで取引を終えた。

前週末の主要7カ国(G7)による協調介入で円安が急速に進んだ後とあって、

この日は持ち高を調整する目的の円買い・ドル売りがやや優勢となった。

 

ただ、新たな円売り介入への警戒感も根強いことから円の上値も限られ、

81円ちょうどを挟んだ狭いレンジで推移した。

主要な米経済指標の発表がなかったことも、方向感に欠けた要因だったという。

円の高値は80円88銭、安値は81円07銭だった。

 

日本の原発事故に関しては、外部電源の供給が始まるなど危機回避に向けた取り組みが報じられ、

新たな悪いニュースは伝わらなかったとの受け止めが多かった。

同事故を巡る市場の不安が落ち着き始め、急速な円高が進むリスクは低下しつつあるとの声も聞かれた。

 

円は対ユーロで3営業日ぶりに反発し、

前日比30銭円高・ユーロ安の1ユーロ=114円90銭~115円ちょうどで取引を終えた。

G7の協調介入で円安が 進んでいたため、持ち高を調整する目的の円買い・ユーロ売りが優勢だった。

アイルランドやポルトガルなどの国債相場が下落し、

南欧諸国の財政懸念を連想さ せたこともユーロの売り材料だった。

 

ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反落。

前日終値の1ユーロ=1.42ドル台前半から、1.42ドル ちょうど前後に下落した。

アイルランドの一部銀行が利払い不能に陥るとの根拠の乏しいうわさが出るなど、

欧州の財政を巡る観測を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となった。

この日のユーロの安値は1.4179ドル。

 

ただ、朝方は欧州中央銀行(ECB)の早期利上げ観測から対ドルでユーロ買いが優勢だった。

ユーロの高値は朝方に付けた1.4243ドルだった。

欧州市場では1.4249ドルと昨年11月5日以来約4カ月半ぶりのユーロ高・ドル安水準を付けた。

 

英ポンドは対ドルで上昇し、前日夕の1ポンド=1.63ドルちょうど前後から1.63ドル後半に水準を切り上げた。

一時1.64ドルちょうど前後と、昨年 1月以来ほぼ1年2カ月ぶりの高値を付けた。

英政府がこの日発表した2月の英消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比4.4%となり、

2008年秋 以来の高さとなった。英中銀が早期に利上げするとの観測が強まり、ポンド買いが進んだ。

 

(日経新聞マネー 3/23 6:37)