福島原発の動向が最大の関心

企業在庫は2~3ヶ月が焦点



3月19日(土)8時43分配信 フィスコ


引き続き、東日本大震災による福島第一原発の動向が最大の関心事項となるだろう。
週後半は、原発事故の状況が小康状態を保っていることが相場の反発要因となった
。電源敷設が成功し、原発を安定した状態に保つことができるかどうかが焦点となる。

今のところ原子力関連や保険、日本での売上比率の高い一部を除いて、
米国では個別企業への影響は限定的にとどまっている。
しかし日本企業の経済活動の低迷が 長期間続くようであれば、
米国企業にもより広範な影響を及ぼすことになるだろう。
例えばアップルのiPad2ではバッテリーやコンパスなど少なくとも5つの重要な部品が日本製であり、
他社からの代替部品を調達することが難しいようだ。
また自動車のゼネラル・モーターズも部品が調達できず
ルイジアナ州の工場でトラックの生産を停止せざるを得ない状態になったほか
ボーイングの新型旅客機の納期も更に遅れることが確実視されている。
ただし現在はまだ十分な在庫 があり、
概ね2-3ヶ月以内に日本からの部品調達が可能になるかどうかが問題となる。

2009年春に大手19の金融機関に対してストレス テストが実施されたが、
対象となった19金融機関は自己資本増強を優先し、
配当や自社株買いを一時的に停止していた。
各社は今後の自己資本の増強計画や配 当方針などを連銀に提出しており、
18日に一部銀行の株主還元策が承認された。
JPモルガンチェースとウェルズ・ファーゴ、BB&TとUSバン コープの4行が配当再開を発表している。
今後、他15の金融機関も承認を受ければ順次配当を再開することになりそうだ。
金融機関に限らず、ネットワーク機器大手のシスコ・システムズが同社初めての配当実施を発表した。
ヒューレット・パッカードも大幅増配を明らかにするなど、
現金保有比率が高位な他ハイテク 企業の間でも株主還元の強化が相次ぎそうだ。

経済指標関連では2月中古住宅販売(21日)や1月住宅価格指数(22日)、
2月新築住宅販 売(23日)など住宅関連の発表が相次いで予定されている。
個別では震災での売上げ落ち込みが懸念されるティファニーが21日に決算発表を予定している。
その他、クレジットカードのディスカバー・フィナンシャル(22日)、
ソフトウェアのアドビ・システムズ(22日)
オラクル(24日)、ドラッグストア のウォルグリーン(22日)
家電小売りのベストバイ(BBY)など決算も予定されている。