
米国株続落 ダウ137ドル安
1カ月半ぶり安値 午後は下げ縮小
15日の米株式相場は大幅に続落し、
ダウ工業株30種平均は前日比137ド ル74セント(1.1%)安の1万1855ドル42セントと、
1月28日以来約1カ月半ぶりの安値で終えた。
日本の原子力発電所事故の深刻化を受けてアジ アや欧州の株式相場が大幅安となり、
投資家心理が悪化した。
ダウ平均は寄り付き直後に300ドル近く下落したが、売り一巡後は値ごろ感からの買いも入り、
午後にかけ下げ幅を縮小した。
ダウ平均の下落幅は10日以来の大きさだった。
構成銘柄のうちシェブロンを除く29銘柄が下落。
半導体のインテルやネットワーク機器のシスコシステムズなどハイテク関連株の下げが目立った。
米連邦準備理事会(FRB)が午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を公表した。
現行の量的緩和政策の継続などを決め、景気認識をやや引き上げた。
市場ではほぼ事前予想通りと受け止められ、結果発表直後の反応は大きくなかったが、
相場の下げ渋りの一因になったとの見方もあった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は前日比33.64ポイント(1.2%)安の2667.33と、
2010年12月31日以来、約2カ月半ぶりの安値で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種が下落した。
「公益」「IT(情報技術)」の下げが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億9000万株(速報値)、
ナスダック市場は約23億株(同)だった。
原子炉の製造を手掛けるゼネラル・エレクトリック(GE)が連日で下げた。
15日発表した四半期の1株利益見通しが市場予想に比べ慎重と受け止められた鉄鋼大手ヌーコアが安い。
船舶部門を分社化すると発表した防衛大手ノースロップ・グラマンが下落した。
一方、アナリストが投資判断を引き上げたと伝わった石油大手シェブロンが高い。
全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した3月の住宅市場指数が前月から上昇したため、
住宅大手レナーやDRホートンが上昇した。
(日経新聞マネー 3/16 6:26)