NY円、地震でリパトリの思惑




11日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日ぶりに大幅に反発し、

前日比 1円10銭円高・ドル安の1ドル=81円80~90銭で取引を終えた。

東日本巨大地震を受けて、

日本の投資家が外貨建て海外資産の本国送金(リパトリエー ション)を進めるとの思惑から

円買い・ドル売りが優勢となった。

 

1995年1月の阪神・淡路大震災後に円高・ドル安が進んだ。

ニューヨーク市場では、今回の大地震後の円相場も同様の値動きになるとの見方が多く、

対主要通貨で円買いが優勢となった。

 

3月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が前月比で市場予想以上に低下した。

米個人消費が減速する可能性が意識され、円が対ドルで買われた面もあった。

円の高値は81円65銭、安値は82円36銭だった。

 

円は対ユーロで続伸し、前日比75銭円高・ユーロ安の1ユーロ=113円70~80銭で取引を終えた。

日本の投資家が本国送金を進めるとの思惑から、円買い・ユーロ売りが優勢となった。

 

ユーロはドルに対して反発し、

前日終値の1ユーロ=1.38ドルちょうど前後から1.39ドルちょうど前後に上昇した。

11日に開いた欧州連合(EU)の ユーロ圏17カ国の首脳会議で、

首脳らが財政赤字の削減や労働規制などを含む財政・経済政策の新たな協調策について合意したと伝わった。

ユーロ圏の財政・ 信用問題への対策が一歩進んだとの見方から、

ユーロの買い戻しが優勢となった。ユーロの高値は1.3916ドル、安値は1.3760ドルだった。

 

(日経新聞マネー 3/12 7:38)