NY円、小幅続落 原油安など受け




9日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に続落し、

前日比05銭円安・ ドル高の1ドル=82円65~75銭で取引を終えた。

原油先物相場の下落を受けて投資家のリスク回避姿勢がいったん後退し、

低金利通貨である円への売りが やや優勢となった。

取引終了にかけて米国債利回りの低下幅が縮小したため、円売り・ドル買いが出た面もあった。

 

米財務省が実施した10年物国債入札が好調な結果だったことから米長期債が買われ、

利回りは低下した。

日米金利差が縮小するとの見方から円買い・ドル売りが入った。

だがその後、利回りの低下幅が縮小したため、円売り優勢に転じた。

 

ニューヨーク市場での円の安値は82円87銭、高値は82円58銭で、日中の値幅は小さかった。

注目度の高い米経済指標の発表などがなく、相場は方向感に乏しかった。

 

円は対ユーロで続落し、前日比10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=115円00~10銭で取引を終えた。

対ドルでユーロが上昇したため、対円でもユーロ買いが優勢だった。

 

ユーロは対ドルで3営業日ぶりに小反発。前日終値の1ユーロ=1.39ドルちょうど近辺から、

1.39ドル台前半にわずかに水準を上げた。

欧州中央銀行(ECB)の早期利上げ観測が根強く、ユーロを下支えしたとの声が聞かれた。

 

ただ、ユーロ売りが目立つ場面もあった。

ポルトガル政府が実施した国債入札の結果が不調と受け止められたことから

同国の財政への懸念が強まった。この日のユーロの高値は1.3935ドル、安値は1.3885ドル。

 

ニュージーランド(NZ)ドルが対米ドルで下落し、

前日終値の1NZドル=0.74米ドルちょうど近辺から、0.73米ドル台後半に水準を切り下げた。

米東部時間午後にニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利を0.50%引き下げた。

利下げは1年11カ月ぶり。市場の一部で利下げ予想が出ていた が、発表後に改めてNZドル売りが出た。

 

(日経新聞マネー 3/10 7:56)