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米国株小反落 ダウ1ドル安 リビア情勢警戒

ダスダック14ポイント安




9日の米株式相場は小反落し、

ダウ工業株30種平均は前日比1ドル29セント (0.0%)安の1万2213ドル09セントで終えた。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同14.05ポイント(0.5%)安の 2751.72だった。

中東・北アフリカ情勢の先行き不透明感が根強いため投資家が買いを手控え、

相場は方向感に乏しくもみ合った。

 

産油国リビアで政権側と反体制派の対立が深まっており、

市場では周辺地域に混乱が広がることへの警戒感が根強い。

投資家が積極的に運用リスクを取って株を買う動きは限られた。

銅先物相場の下落などを背景に、素材株を中心に売りが優勢となった。

 

市場予想を大きく下回る業績見通しを発表した通信機器のフィニサーが急落。

企業の情報化投資の先行きに慎重論が浮上した。世界景気への楽観論がやや後退し、

同業のJDSユニフェーズなどIT(情報技術)株の一角が売りに押された。

 

一方、アナリストによる目標株価の引き上げが相次いだIBMが買われたため、

ダウ平均の下げ幅は限られた。

 

業種別S&P500種株価指数は全10種のうち「素材」や「エネルギー」など5種が下落。

半面、「公益」や「通信サービス」などが上げた。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億7000万株(速報値)、

ナスダック市場(同)は約19億4000万株だった。

 

前日夕に発表した1~3月期の1株利益の予想レンジの中心値が市場予想に届かなかった

通信系半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)が安い。

前日の 米証券取引委員会(SEC)への届け出で、

債権者との交渉次第では破産法申請もあり得ると公表した電力大手ダイナジーが下落した。

 

前日夕に米政府に公的資金の一部を返済したと発表した

保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)も下げた。

中長期の経営ビジョンを発表したトヨタの米預託証券(ADR)は小安い。

 

一方、決算が増益だったカジュアル衣料大手アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは大幅高。

最高経営責任者(CEO)が2012年までに株主への利益還元を積極化すると述べた

と伝わった米銀大手シティグループが小高い。増配を発表した事務用品販売大手ステープルズも買われた。

 

(日経新聞マネー 3/10 7:29)