
米国株、大幅反発 ダウ124ドル高 金融株に買い
原油安も好感
8日の米株式相場は3営業日ぶりに大幅反発した。
ダウ工業株30種平均は前日 比124ドル35セント(1.0%)高の1万2214ドル38セント、
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は同20.14ポイント(0.7%)高 の2765.77で終えた。
収益改善や配当増への期待からバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が4%超上げ、
米大手銀行株がつれ高した。原油先物相場の下 落も好感された。
バンカメのブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)が投資家向け説明会で、
収益の先行きへの明るい見方や増配への意欲を示したと報じられた。
JPモルガン・チェースやシティグループなどにも買いが広がった。
クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)など石油輸出国機構(OPEC)加盟国が
サウジアラビアに続いて増産を計画していると報じられたことなどから、
原 油先物に売りが出た。景気不透明感がひとまず和らぐとの期待感から、
化学大手デュポンや建機大手キャタピラーなどの景気敏感株にも買いが入った。
住宅株も買われた。1~2月の販売契約件数(速報)が前年同期比11%増えた
と発表した住宅建設大手パルトグループが大幅上昇。
DRホートンやKBホームなどがつれ高した。ダウ平均の上昇幅は一時160ドルを超えた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億株(速報)、
ナスダック市場は約18億株(同)。業種別S&P500種株価指数(全10業種)では
「金融」や「通信」など9業種が上昇した。
中国国際航空から航空機5機を受注したと発表した航空機大手ボーイングが上昇。
欧州通信大手ドイツテレコム傘下の米携帯電話部門であるTモバイルUSAと
統合する方向で協議していると報じられた米携帯電話大手スプリント・ネクステルは大幅高だった。
業界再編期待から携帯電話会社を傘下に持つベライゾン・コ ミュニケーションズなども上げた。
一方、2月の世界の既存店売上高は市場予想を上回ったが、
米国内の伸びが鈍かったとしてマクドナルドが 売られた。
増配を発表したものの、アナリストが投資判断を引き下げた携帯電話向け技術開発大手のクアルコムも安い。
前日夕に発表した四半期決算が市場予想 を下回った
カジュアル衣料・雑貨専門店を展開するアーバンアウトフィッターズは16%超急落した。
(日経新聞マネー 3/9 7:32)