NY円、 金融政策巡る思惑で



8日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落し、

前日比40 銭円安・ドル高の1ドル=82円60~70銭で取引を終えた。

良好な経済指標が相次ぐ中、米金融当局が近い将来に緩和的な金融政策を見直す可能性がある

との見方が浮上。日米金利差の拡大期待を背景に円売り・ドル買いが優勢となった。

 

米連邦準備理事会(FRB)が緩和的な金融政策からの「出 口」を模索しつつある

との趣旨のリポートを一部有力シンクタンクが発行したと伝わった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えて米金融政策の先行 きに関心が高まっていただけに、

近い将来に当局が政策変更の示唆に踏み切るとの思惑を広げる要因になった。

 

世界経済の重荷になりかねない原油先物価格の上昇傾向が一服した影響も大きかった。

投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、逃避資金の受け皿になりやすい円からドルに持ち高を移す動きが目立った。円相場は1ドル=82円86銭まで下落する場面があった。

 

ニューヨーク市場での円の高値は82円46銭だった。

 

円は対ユーロで下落。前日比10銭円安・ユーロ高の1ユーロ=114円90銭~115円ちょうどで取引を終えた。

米格付け会社によるギリシャの信用格付けの引き下げを受け、

欧州の国家財政への懸念が改めて意識され、円買い・ユーロ売りが優勢となった。

 

ユーロは対ドルで続落し、前日終値の1ユーロ=1.39ドル台後半から同前半に水準を切り下げた。

ユーロの安値は1.3862ドル、高値は1.3924ドルだった。

 

(日経新聞マネー 3/9 7:38)