NY円、 リビア不安でリスク回避
3連休明け22日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続伸し、
前週末比 45銭円高・ドル安の1ドル=82円70~80銭で取引を終えた。
緊迫するリビア情勢を背景に投資家が運用リスクを回避する動きを強め、
円買い・ドル売り が優勢となった。
米国債市場で米長期債利回りが低下したため、日米金利差の縮小を受けた円買いも入った。
リビアの最高指導者カダフィ大佐 がこの日のテレビ演説で退陣の意思がないことを表明し、
今後も反政府デモの弾圧を続ける考えを示した。
同国の政情不安が一段と強まり、投資家が運用リスク を取りにくくなるとの見方から、
ユーロなど相対的に金利の高い通貨を売って低金利の円やドルを買う動きが加速した。
ユーロなど対主要通貨に対して円買いが 進み、円の対ドル相場を押し上げた。
債券市場で「安全資産」とされる米国債が買われ、長期債などの利回りが低下(価格は上昇)した。
日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入った。
円は一時82円58銭まで上昇し、10日以来の高値を付けた。円の安値は午前に付けた83円25銭だった。
円は対ユーロで反発し、前週末比80銭円高・ユーロ安の1ユーロ=113円ちょうど~10銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反落。前週末の終値の1ユーロ=1.36ドル台後半から1.36ドル台半ばに
水準を切り下げてた。
リビア情勢の緊迫化を受け、ユーロ売り・ドル買いが優勢だった。
ただ午前中はユーロ高・ドル安で推移する場面があった。
ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁が欧州のインフレ進行について触れ、
利上げの可能性を示唆したと伝わったことで、ユーロ圏の早期利上げ観測が強まったという。
この日のユーロの安値は1.3635ドル、高値は1.3704ドルだった。
ニュージーランド(NZ)ドルは対米ドルで下落し、
前週末終値の1NZドル=0.76米ドル台前半から0.74米ドル台後半に水準を切り下げた。
NZ南島のクライストチャーチで大地震が発生し、同国経済の先行き不透明感からNZドルは売られた。
( 日経新聞マネー 2/23 7:38)