■米失業率低下、エジプト大統領の辞任・亡命観測で82円台に反発
ドル・円は、週明けエジプト情勢緊迫化懸念からリスク回避の円買いが先行81円 77銭に下落後、
欧州の早期利上げ観測からのユーロ・円の反発に連れて82円26銭へ上昇。
だが、米国の12月コアPCE価格指数が過去最低を記録したこ とで
緩和策長期化の見方から82円割れ。
欧州早期利上げ観測の強まりによるユーロ買い、
英早期利上げ観測の浮上によるポンド買いをきっかけにしたドル売り に81円31銭へ下落。
81円30銭以下に国内準公的機関投資家のドル買いオーダーの噂で下げ渋り、
米先週分新規失業保険申請件数の予想以上の減少、
米1 月ISM非製造業景気指数(総合)の上振れに82円07銭へ反発も、
エジプト情勢の懸念の強まりを嫌気したリスク回避の円買い、
米1月非農業部門雇用者数 の伸びが小さかったことを受けたドル売りに81円10銭まで下落。
だが、米1月失業率の予想外の大幅低下を好感した米長期金利の上昇の伴うドル買い、
ムバ ラク・エジプト大統領の辞任・亡命観測によるリスク回避後退の円売りに82円47銭まで上昇。
■米1月雇用統計を受けたドル買いは続くのか、米FRB議長証言に注目
7 日から10日のドル・円は、81円台-83円台の取引レンジ抜けがあるのかどうかが引き続き焦点となる。
4日に発表された米・1月の雇用統計では、非農業 部門雇用者数の伸びが予想を大幅に下回ったが、
失業率の大幅な低下の方が好感され、米長期金利が上昇、ドル買いにつながった。
とはいえ、今回は雇用者数に も失業率にも大雪という特殊事情の影響が指摘されており、
今後このままドル買いを続けていいのかどうか、気迷いムードが出る可能性も考えられる。
そうした 折、2月9日にバーナンキ米FRB議長が下院予算委員会で経済について証言を行う予定であり、
1月雇用統計に関する見解も含めて、何らかのヒントがみられ るか、発言が注目される。
需給面では、83円台から84円台で本邦輸出企業のドル売りオーダーが引き続き厚いが、
輸出企業にドル売り遅れ 感があり、82円台からもドル売りが見込まれる。
また、2月は本邦では外債償還・利払いが多く、先ず中旬に向けて円転の動きが活発化。
そして、3月末に向 けたリパトリ(本国への資金還流)に絡む円買い需要が出始める可能性もあり、
ドルの上値は重い状態。
一方、下値は、81円台前半から80 円台にかけて本邦準公的機関投資家のドル買いオーダーが並んでいる
との噂があったが、今週は結果的には81円10銭で下げ止まった。
また、80円00銭手 前ではオプションの防戦に絡むドル買いがかなり強まる可能性があり、
80円の攻防戦は相当激しいものになりそうだ。
米金融政策については、1月25-26日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、
今年の投票権を有するメンバーはタカ派が多いといわれるなか、
政策金利、量的緩和第2弾の維持が全会一致の決定だったことから、
量的緩和の早期終了観測が後退する状況になっている。
3 日にバーナンキ米FRB議長は講演で、
「持続的な雇用創出期を迎えるまで真の経済回復確立とは考えられない」、
「2011年の失業率はFRB責務に沿った 水準を引き続き上回る見通し、インフレ率は同責務を依然下回る見込み」と述べ、現行の緩和政策を継続する姿勢を示した。
米経済については、「経済の回復は 緩やか」、
「個人消費、企業の設備投資の回復はゆるぎない」などの見方を示した。
バーナンキ議長は2月9日に下院予算委員会で証言、経済と雇用、
および連 邦予算のそれらへの影響について話す予定になっている。
なお、ホーニグ米カンザスシティー連銀総裁が「経済指標が金融当局者の予想を下回 ることになれば、
FRBは国債買い入れプログラムを6月以降も継続するかどうか検討する可能性」と発言。
ホーニグ総裁は、昨年のFOMCの投票権を有する メンバーで、
一貫して金融政策(緩和策)に反対していたことから、市場では驚きの声が上がっている。
米国債の入札が、
8日に3年債 (320億ドル)、
9日に10年債(240億ドル)、
10日に30年債(160億ドル)の総額720億ドル予定されている。
入札の結果を反映して、米長期 金利が上昇すれば、
ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、金利が低下すればドル売りが強まることになる。
日本の金融政策につい ては、1月24-25日の日銀金融政策決定会合で、
金融政策(包括的緩和)の現状維持、政策金利の据え置きが決定されている。
2月2日の亀崎日銀審議委員 の会見では、金融政策について、
「デフレ脱却などに向け、必要な施策をプロアクティブに実施していくべき」と述べた。
日本経済については、「踊り場局面を 短期間で終え、
再び緩やかな回復経路に復す可能性高い」との見方を示し、
「財政再建は、市場の信認が確保されているうちに道筋をつけることが重要課題」と 指摘した。
2月7日に白川日銀総裁が講演を行う(外国特派員協会)。
今後の金融政策への姿勢、景気認識が改めて注目されることになる。
主な予定は、
7日(月):(日)12月景気動向指数速報値、白川日銀総裁講演、(米)12月消費者信用残高。
8日(火):(日)12月経常収支、ラッカー米 リッチモンド連銀総裁、ロックハート米アトランタ連銀総裁、
フィッシャー米ダラス連銀総裁が講演。
9日(水):(米)バーナンキ米FRB議長が米下院で証 言、ロックハート米アトランタ連銀総裁講演。
10日(木):(日)12月機械受注、1月企業物価指数、(中)1月貿易収支、(米)1月財政収支、12月卸 売在庫・売上。
11日(金):(日)休場(建国記念日)、(米)12月貿易収支、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値。
[予想レンジ]
ドル・円80円50銭-83円50銭