中東情勢を警戒、

決算や雇用統計などイベントも多数



1月29日(土)8時28分配信 フィスコ


エジプトの反政府デモが大きく報道されており、
中東情勢の不安定化への警戒感が株価急落のきっかけとなった。
スエズ運河の航行が影響を受ければ、原油価格が一段と上昇する要因となる。
デモの拡散状況やムバラク大統領の進退について、当面注意深く静観する必要があるだろう。

ピークは通過したものの、今後も引き続き多数の10-12月期決算発表が予定されている。
ダウ構成銘柄ではエクソン・モービル(31日)、ファイザー(1 日)、メルク(3日)の決算発表が控えている。
製薬大手は医療改革法案などの影響による医療費の抑制圧力のほか、
大型薬の特許切れが目前に迫っており株価 の出遅れが目立っている。
ただし、4%を超す配当利回りが確保できる上に、中長期的な観点からは買い場と捉える向きも少なくない。
その他では決済ネット ワークのビザ(2日)、マスターカード(3日)、保険のジェンワース(2日)、
ハートフォード・フィナンシャル(2日)、アフラック(1日)などの決算が 注目だろう。

月末・月初となることから経済指標の発表も多数予定されている。
特に1月ADP雇用報告(2日)と1月雇用統計(4日)に注 目が集まっている。
週間の新規失業保険申請数が予想外の増加となったこともあり、
警戒感が強い。エコノミストの平均予想によると非農業部門雇用者数は13 万人の増加、
失業率は9.5%へと悪化が見込まれている。

なお、スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラムに米国高官としては唯一参加している
ガイトナー財務長官は米国経済の現状について、
「(ビジネスや経済の)自信は回復してきているが、失業率や財政赤字を大きく低下できるほどではない」
との認識を示した。
昨年8月下旬にバーナンキFRB議長が追加量的緩和に言及して以来、
株価や商品価格の上昇が続いているほか、主要企業の 10-12月期決算も概ね好調である。
しかしながら肝心の雇用の回復は緩慢で失業率が高止まりしている状況が続いている。
失業には景気循環的な側面もあるが、
それ以上に米国企業がコストの安い新興国へと生産や研究開発の拠点を移している
という構造的な要因が無視できない。

FOMCでは声明文で現在の実質ゼロ金利を相当期間維持する方針が改めて示された。
今のところ追加量的緩和は今年の6月で終了する予定だが、
失業率の高止まりを理由に金融 緩和策が長期化する可能性がある。
昨夏からの株価上昇を考えれば、6月以降量的緩和を延長するかどうかが、
今年の株式相場の方向性を決定づけることにもなろう。
雇用対策としての金融政策には限界があり、雇用が大きく改善するまで金融緩和を続ければ、
ホットマネーが流入しやすい金融商品のバブル形成を後押しするだけである。
実際、食料やエネルギーなどにインフレの兆しが見えており、かえって消費者を直撃する状況が懸念される。