■日本格下げで83円台前半に上昇も伸び悩み反落
ドル・円は、利食いのユーロ売り・ドル買いの動きに連れて82円92銭へ上昇後、
ロシア の空港での自爆テロに質への逃避の米国債購入や、オバマ米大統領が
一般教書演説で非国防予算の5年凍結を訴えるとの話題を受けた
債券利回り低下に伴うドル 売りに81円97銭まで下落。
予想を上振れた米12月新築住宅販売件数を好感して82円62銭へ反発、
米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利・金融 政策を全会一致で維持し、
量的緩和の早期終了観測が後退したことで82円00銭に反落後、
格付け会社S&Pが日本のソブリン格付けを「AA-」に 格下げしたことを受けた
ドル買い・円売りで83円22銭まで上昇。
だが、本邦輸出企業のドル売りで伸び悩み、
エジプト政情緊迫化を嫌気したリスク回避の円 買いに82円付近に反落した。
■81円台-83円台のレンジ抜け注目継続
1月31日から2月4日のドル・円は、バーナンキFRB 議長の講演(2月3日)、
米1月雇用統計(同4日)を材料に、最近の81円台-83円台の取引レンジ抜けなるかが引き続き見所になる。
現状は、1月 25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)において政策金利・金融政策が
全会一致で維持されたことで、量的緩和の早期終了観測が後退(ドル売り)。
一方、27日の格付け会社S&Pによる日本の長期ソブリン格付け引き下げを受けた
短期筋のドル買い戻し余地が残る可能性もある(円売り要因)。
需給面で は、83円台から84円台で本邦輸出企業のドル売りオーダーが引き続き厚い。
また、2月に入れば本邦では、外債償還・利払いや、
3月末に向けてのリパトリ (本国への資金還流)に絡む円買い需要が出始める可能性があり、
ドルの上値は重い状態。
格付け会社S&Pが1月27日、
「日本の長期ソブ リン格付けをAAからAA-に引き下げ、アウトルックは安定的」と発表。
ドル・円は円売りに反応し、82円台前半から83円台前半に上昇した。
だが、 S&Pは従前よりアウトルックをネガティブとしており、
(タイミングは意外に早かったとの見方があるが)格下げは時間の問題で既定路線との受け止め方がみられる。
当面は残る有力格付け会社のムーディーズ、フィッチの動向が注目されるが、
ムーディーズは27日、「日本のAa2格付け再確認、見通しは安定的」 と発表。
フィッチは「日本の格付けは低い金利で国内で資金調達できる能力に支援されている」との見解を示している。
米金融政策について は、
1月25-26日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、「FF金利誘導目標の0-0.25%据え置き」、
「6月末までの6000億ドル規模 の米国債購入計画の持続」を全会一致で決定した。
今回のFOMCでは、今年の投票権を有するメンバーはタカ派が多いといわれるなかで、
昨年のホーニグ米カ ンザスシティー連銀総裁のような反対票が出るのかどうかに関心が集まっていたが、
全会一致の決定だったことで量的緩和の早期終了観測が後退する状況になっている。
景気認識については、「米経済回復は継続」としながらも、
「回復は失業率低下に不十分」との見方を示した。
また、「基本的なイン フレは下方に傾斜」として、デフレ懸念も残った。
来週は、2月3日にバーナンキ米FRB議長の講演(ナショナル・プレスクラブ)が予定されており、
改めて 今後の金融政策の姿勢、景気認識に関する発言が注目される。
日本の金融政策については、1月24-25日の日銀金融政策決定会合で、
金融政策(包括的緩和)の現状維持、政策金利の据え置きが決定された。
日銀は声明で「デフレ脱却のため、包括緩和策などの措置を通じて、
中銀としての貢献を粘り強く続ける」と表明した。
展望レポート中間評価では、実質GDP見通し(中央値)の2010年度を+3.3%に上方修正したが(10月時点+2.1%)、
2011年度は+1.6%に (10月時点+1.8%)、2012年度も+2.0%に(10月時点+2.1%)、それぞれ下方修正。
日銀は「2010年度成長率は過去の実績に改定があ り上振れるが、
2011・12年度はおおむね見通しに沿って推移する」との見方を示した。
また、CPI見通し(中央値)の2010年度は -0.3%に上方修正(10月時点-0.4%)、
2011年度も+0.3%に上方修正(10月時点+0.1%)、2012年度は+0.6%を維持で、
「物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで実質ゼロ金利を継続」の状況は続くことになる。
白川日銀総裁は、日本経済について、
「早晩緩やかな回復に向かう蓋然性が高い」との見方を示し、
「金融市場機能や金融緩和の効果・副作用、総合判断して包括緩和を進める」と述べた。
2月2日に亀崎日銀審議委員が佐賀市での金融経済懇談会に出席、会見する予定になっている。
今後の主な予定は、1月31日(月):(日)12月鉱工業生産速報値、
(米)12月個人所得・消費支出、1月シカゴ購買部協会景気指数、
2月1日(火): (米)1月ISM製造業景気指数、12月建設支出、
2日(水):(日)亀崎日銀審議委員会見、(米)1月ADP全米雇用報告、
3日(木):(米)第4四半 期労働生産性、単位労働コスト速報値、12月製造業新規受注、
1月ISM非製造業景気指数(総合)、バーナンキ米FRB議長講演、
4日(金):(米)1月 雇用統計。
[予想レンジ]
ドル・円81円00銭-84円00銭