米回復期待にドル底堅い

ECB総裁インフレ警戒発言も下支え



1月15日(土)13時50分配信 フィスコ


■輸出企業のドル売りオーダーに83円台半ばで上げ止まり

ドル・円は、ポルトガルが金融支援を要請するとの観測からの欧米株安を受けてリスク回避 の円買いが強まり、
83円30銭から82円66銭へ下落スタート。
その後、日本が欧州金融安定ファシリティー債の購入を表明したことから対ユーロでの円売 りが強まり、
ドル・円も連れて83円50銭まで上昇。
だが、輸出企業のドル売りオーダーに抑えられ、順調な米3年債、10年債入札を好感した利回りの低下、
予想外に増加した米新規失業保険申請件数を嫌気したドル売り、
中国の利上げ観測による円買いに82円40銭まで下落した。
その後、米企業の好決算を受 けた株式相場の上昇を受けて83円絡みに反発した。
中国人民銀行は預金準備率の0.5%引き上げを発表した(20日から実施)。


■米景気回復期待のドル買い対輸出のドル売りの綱引き続く

17 日から21日のドル・円は、引き続きドルの底堅い推移が予想される。
米景気回復期待によりドルの押し目ではドル買い意欲が強まり、下げづらい状態になると みられる。
ユーロ・円がトリシェECB総裁のインフレ警戒発言を受けてユーロの買い戻し余地が残り、
ドル・円の下支えになる可能性もある。
だが、83円 50銭から84円台にかけては輸出企業などのドル売りオーダーがかなり厚くなっているといわれ、
また、米中首脳会談が行われる19日までは
思惑的な人民元高進行に円も連れ高になりやすい状況が続くことから、
ドルの上値は依然として重く、上昇余地も限られる可能性がある。

米金融政策については、景気回復期待が強まるなか、
量的緩和第2弾が予定通り遂行されるのか、または早期終了となるのかが引き続き焦点となっている。
最近の米FRB幹部の発言では、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁は
「もし経済が一段と速やかに拡大を始めたら、資産購入プログラムを考え直す必要がある」と述べ、
現行政策 に対して引き続き慎重な姿勢をみせている。
しかし、コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁は「量的緩和に非常に満足」、
フィッシャー米ダラス連銀総裁は 「6000億ドル国債購入計画は完遂される」、
ブラード米セントルイス連銀総裁は「刺激策の縮小を検討するのは時期尚早」など、
現行政策に肯定的な見解が 相次いでおり、
FRB内部ではまだ量的緩和第2弾は予定通り遂行という判断が勝る状況がうかがえる。

NY連銀は、「1月13日から2月9 日にかけて18回のオペを実施し、
約1120億ドルの国債とインフレ指数連動債を買い入れる」と発表。
13日に84.1億ドル、14日に73.1億ドルを 買い入れている。
昨年11月の米FOMCでの量的緩和第2弾の決定後、
昨年11月12日から12月9日にかけて1063.05億ドル程度、
昨年12月13 日から今年1月11日にかけて1004.59億ドル程度の買い入れを実施してきている。

1月12日に発表された米地区連銀経済報告(ベー ジュブック)では、
「米経済は12月にかけて緩やかに拡大した」との見解が示された。
個別では、「製造業の回復は継続」、「全ての地区で年末の小売販売は 2009年の販売を上回った」、
「雇用市場はほとんどの地区で堅調」など改善が多くみられた。
しかし、「居住住宅は全地区で低迷」、
「商業不動産建設は抑制、または鈍化」など、住宅市場に関しては依然きびしい状況が示された。
来週は、米国の1月NAHB住宅建設業者指数、
12月住宅着工件数・住宅着工許可 件数、1
2月中古住宅販売件数と住宅関連指標の発表が多く、結果が注目される。

中国の胡錦濤国家主席がいよいよ1月18-21日に米国を公式訪問する。
19日予定の米中首脳会談(共同会見もあり)では、
通貨、北朝鮮問題が議題になる(ギブス米大統領報道官)ことから、
少なくとも19日まで は思惑的な人民元高の進行が続き、それに連れた円高傾向も続くことになる。
ガイトナー米財務長官は「中国人民元は上昇する必要」と述べている。

17 日から21日の主な予定は、
17日(月):(日)日銀支店長会議(白川日銀総裁あいさつ)、(米)キング牧師誕生日で休場、
18日(火):(米)1月 ニューヨーク連銀製造業景況指数、11月対米証券投資収支、
         1月NAHB住宅建設業者指数、
19日(水):(日)11月第3次産業活動指数、(米)12月 住宅着工件数・住宅着工許可件数、
20日(木):(中)10-12月期GDP、12月消費者物価、12月生産者物価、12月鉱工業生産、
         12月小売売上 高、(米)12月中古住宅販売件数、
         1月フィラデルフィア連銀業況指数、12月景気先行指数、
21日(金):(日)11月全産業活動指数。

[予想レンジ]
ドル・円81円50銭-84円50銭