米国株、ダウ続落し22ドル安 金融株に売り、ナスダックは6ポイント安
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、
前日比22ドル55セント(0.2%)安の1万1674ドル76セントで終えた。
住宅の差し押さえに関して裁判所が銀行に不利な判決を下したことを受けて、
金融株を中心に売りが優勢となった。
雇用統計で非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想を下回ったことも重荷になったとの声があった。
 
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、同6.72ポイント(0.2%)安の2703.17で終えた。
 
マサチューセッツ州の裁判所が米銀大手ウェルズ・ファーゴとUSバンコープが差し押さえた
住宅について、両行に差し押さえの権利があったとは認められないとの判決を下したと伝わった。
米国では金融機関が差し押さえた住宅を競売する際に作成した書類に
不備のある事例が多いことが問題になっており、
同様の裁判で今後、金融機関に不利な判決が出るとの懸念を誘った。
両行の株が下落し、
JPモルガン・チェースなど金融株全般にも売りが広がった。
 
昨年12月の雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比10万3000人増と市場予想を下回った。
一方、10、11月分の雇用者数の増加幅は上方修正され、
失業率は前月から0.4ポイント低い9.4%に低下した。
米雇用情勢の緩やかな回復基調を示す内容との受け止め方が多かった。
ただ、5日発表の民間の雇用指標などを受けて、
統計で雇用者数が大幅に増えるとの期待があったため、一部で失望を誘ったという。
 
ダウ平均は100ドル近く下げる場面があったが、10日の非鉄大手アルコアを皮切りに来週から本格化する主要企業の四半期決算への期待が根強く、
金融株に売りにかけて下げ幅を縮めた。
 
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が上院予算委員会での証言で、
米景気は回復しているが雇用改善には力不足との認識を示した。
内容は新味に乏しいと受け止められ、株式相場の反応は目立たなかった。

 業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「金融」や「通信サービス」など7種が下落。
一方、「エネルギー」や「公益」などが上昇した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億9000万株(速報値)、
ナスダック市場(同)は約19億3000万株だった。
 
JPモルガンはダウ平均構成銘柄で下落率上位に入った。
昨年後半の営業利益見通しを引き下げた婦人服のリズ・クレイボーンが急落。
アナリストが投資判断を引き下げた鉄鋼大手AKスチールは大幅に下落した。
食肉・コーヒー事業の分社化を検討していると前日夕に報じられた食品のサラ・リーも小安い。
 
一方、昨年9~11月期決算が市場予想ほど悪化しなかった住宅のKBホームが大幅高。
「証券会社が債務再編と財務立て直しについて協議している」と前日夕に米紙が報じた書店大手ボーダーズも急伸した。
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