■本邦実需筋の売りで84円台重く、クロス円軟調に連れ安
12月20日から24日のドル・円は、
週明け韓国軍の射撃訓練による地政学的リスク懸念で84円13銭まで上昇後、
本邦輸出企業のドル売り、北朝鮮軍声明「反応する価値はない」を受けて反転、
ユーロ圏諸国の格付け懸念、英財政指標の悪化によるクロス円の売りに連れて83円50銭に下落。
本邦資本筋のドル買いオーダーに下げ渋り83円91銭へ反発も、
ユーロ・ドルの買い戻しをきっかけにドル売りが勝り、
上海株式市場の軟調推移を受けた円買い、ポジション調整のドル売りに82円85銭まで下落。
■米国の主要経済指標、FRB議長証言に注目
2010 年12月27日-2011年1月7日のドル・円は、
米国の減税延長法の成立で財政悪化懸念より景気浮揚期待が勝る状況において、
主要経済指標の発表を材料に量的緩和第2弾の今後の行方を占いながらの取引が続く。
経済指標の改善は、量的緩和第2弾の規模や期間の縮小観測・長期金利の上昇・ドル買いにつながる。
米経済指標では、
30日 12月シカゴ購買部協会景気指数
3日 12月ISM製造業景気指数
5日 12月ISM非製造業景気指数(総合)
7日 12月雇用統計
などの発表が注目される。
また、バーナンキ米FRB議長の上院予算委員会での証言(7日)も大いに注目される。
その他には、日本の 政局、朝鮮半島情勢などに注意が必要になる。
米国の金融政策については、量的緩和第2弾が進行中。
NY連銀は先日、「12月13日から 2011年1月11日にかけて18回のオペを実施し、
約1050億ドルの国債とインフレ指数連動債を買い入れる」と発表。
今週は、20日に77.9億ドル と67.8億ドルの国債買い入れを実施、
その後、21日に77.9億ドル、22日に20.7億ドルを実施しており、
13日以降の買い入れ総額は478.1 億ドルになっている。
米国債の入札が、
27日に2年債(350億ドル)
28日に5年債(350億ドル)
29日に7年債(290億ドル)の総額990億ドル予定されている。
入札の結果を反映して、米長期金利が上昇すれば、
ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、金利が低下すれ ばドル売りが強まることになる。
最近のFRB幹部の発言は、ブラード米セントルイス連銀総裁「国債購入計画の規模6000億ドルについて、
経済成長の度合い次第で見直しと変更はあり得る」、
プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁「回復に応じて米国債購入の縮小も」などがみられたが、
2人 とも量的緩和については以前から慎重な姿勢が目立っている。
2011年1月7日には、バーナンキ米FRB議長が上院予算委員会で、
金融・財政政策や米経済 の見通しについて証言を行う予定であり、大きな注目が集まりそうである。
発表された米経済指標をみれば、
11月の中古住宅販売件数、新築 住宅販売件数は改善、
10月住宅価格指数(連邦住宅金融局)はプラスに転換。
7-9月期GDP確定値は上方修正、同デフレータ確定値は下方修正。
11月耐 久財受注はマイナス継続、
12月ミシガン大消費者信頼感指数確報値は上方修正などで、おおむね良好な状況となっている。
日本の金融政策に ついては、
20-21日に開催された日銀金融政策決定会合では、
金融政策を現状維持、無担保コールレート据え置きを全員一致で決定。
「今後も基金を通じた 多様な金融資産買い入れと長めの資金供給を進め、
包括緩和の効果波及を図る」と表明した。
白川日銀総裁は会見で長期金利上昇に触れ、
「今後の金利の推移や 影響を注意深く点検」、
「国債大量保有する金融機関通じ経済・物価に影響」などと述べた。
日本政府は24日の夕方の臨時閣議で2011年度予算案を決定 し、
一般会計の歳出(国債費を除く)は71兆円以下に。
新規国債発行額は44.3兆円となり、「事実上の国際公約を順守」。
小沢民主党元 代表の国会招致問題については、
20日の菅首相と小沢民主党元代表の会談は、
小沢元代表が衆院政治倫理審査会(政倫審)への出席を拒否し決裂。
菅首相はそ の後も政倫審での説明が必要との考えを改めて示しているが、
小沢元代表は23日、出席しない考えを改めて強調。
今後、証人喚問が選択肢となる可能性もあり、
民主党内の対立が激化して政局不安が広がる火種はくすぶり続けていきそうだ。25日に再会談の予定。
さて、20日に韓国が射撃訓練を 実施したのに対しては、
北朝鮮軍が「韓国の実弾演習による挑発に反応する価値はない」とコメントしただけで、
動きはなかった。
だが、その後、21日に朝鮮半島の南北軍事境界線に近い韓国側のクリスマス用イルミネーションが
7年ぶりに点灯され、北朝鮮は強く反発。
さらに、韓国は22日から東岸沖で3日間射撃 訓練を実施、
23日には軍事境界線付近で過去最大規模の射撃訓練を実施した。
北朝鮮人民武力相は「核抑止力を用いた聖戦の準備ができている」と述べており、
朝鮮半島の地政学的リスクに注意しなければならない状況も続く。
12月20日から2週間の主な予定は、
27日(月):(日)日銀金融 政策決定会合議事録(10/28、11/4-5)、豪・NZ・英・カナダはクリスマス(振替)休場、
28日(火):(日)11月全国・12月東京都区部消 費者物価指数、11月失業率・有効求人倍率、
11月鉱工業生産速報値、(米)10月S&Pケース・シラー住宅価格指数、
12月消費者信頼感指数、 豪・NZ・英・カナダはボクシングデー(振替)休場、
30日(木):(日)大納会、(米)12月シカゴ購買部協会景気指数、11月中古住宅販売成約指数、
31日(金):(日)東京休場。
1月3日(月):(日)東京休場、(米)12月ISM製造業景気指数、11月建設支出、豪・NZ・英・加 は休場、
4日(火):(日)大発会、(米)11月製造業受注、FOMC議事録(12/14)、
5日(水):(米)12月ADP全米雇用報告、12月ISM 非製造業景気指数(総合)、
7日(金):(米)12月雇用統計、11月消費者信用残高、バーナンキ米FRB議長証言。
[予想レンジ]
ドル・円81円50銭-85円00銭