クリスマス閑散

ブッシュ減税延長や景気回復で金利動向に注意



12月18日(土)11時53分配信 フィスコ


24日がクリスマスの振り替え休日のため、米国株式相場は休場となる。
投資家や市場関係者の多くも休暇に入ることから、週を通じて閑散取引となることが想定される。
いわゆるブッシュ減税の延長が成立したことで、政治イベントも一段落した感がある。

このような中、経済指標では10月住宅価格指数(22日)や11月中古住宅販売(22日)、
11月新築住宅販売(23日)などの住宅関連が注目される。
特に 長期金利の上昇を受けた住宅ローン金利の急騰による影響が懸念されている。
住宅市場は冬場はローシーズンだが、来春にかけても住宅ローン金利が高止まりするようだと、
住宅価格の再下落へのリスクが顕在化する可能性がある。
その他では、11月個人所得及び個人支出(23日)や
12月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(23日)などの発表も予定されており、
引き続き年末商戦や個人商品の動向に注目が集まるだろう。

主要企業決算も幾つか予定さ れている。
ハイテクではソフトウェアのアドビシステムズ(20日)やレッドハット(21日)、
小売では家庭用品を扱うベッド・バス・アンド・ビヨンド (22日)やドラッグストアのウォルグリーン(22日)、
またスポーツ用品のナイキ(21日)などの決算が控えている。


ブッシュ 減税延長に関する法案は、オバマ大統領の署名を経て成立した。
これによって懸案事項であった実質増税懸念による株式相場への売り圧力や、
景気や個人消費の 抑制圧力が後退した。
同時に米国の財政は当面、一段と悪化することも確実になった。
今回の減税延長によって、早ければ来年春にも戦後初めて対GDP比で債務が100%を上回ることが
ほぼ確実と見込まれており、現在財政危機問題に揺れるヨーロッパ各国と比べても同等の高い水準となる。
特に最近の長期金利の上 昇傾向の一因は財政悪化懸念である可能性は高いだろう。

但し長期金利上昇の背景としては、財政悪化懸念のほかに、インフレ期待の上昇、
そ して景気回復の3つの要因が考えられる。
実際にはこの3つの要素が常に複合的に影響しあっているはずだが、
例えば「ブッシュ減税延長」も、財政悪化懸念で 長期金利が上昇したと解釈することもできるし、
減税効果による景気回復期待が高まったことで長期金利が上昇したとも理解できる。
株式相場にとっても、例え ば足元では金利上昇が上値を抑える要因となったが、
長期金利の上昇は将来利益の割引率上昇という悪性の要因にもなるし、
景気回復やインフレ期待の上昇によ る企業業績拡大という良性の要因にもなり得る。
デフレが大きな懸念であったアメリカにとって、
少なくともこれまでの所は良性の金利上昇との受け止め方が大 勢を占めているものの、
今後の金利上昇ペースと市場の受け止め方によっては悪性にもなり得るリスクに注意が必要である。