2.42 (0.02%) 米国株、ダウ小反落で2ドル安 雇用期待も
ナスダック2年11カ月ぶり高値
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落し、
前日比2ドル42セント (0.0%)安の1万1370ドル06セントで終えた。
来年の業績予想が市場予想の範囲内にとどまった化学大手デュポンなどが下落し、指数を押し下げた。
ただ米雇用情勢の回復期待が支えとなり、ダウ平均は高く推移する場面もあった。
相場は終日、方向感に乏しくもみ合った。
一方、ナスダック 総合株価指数は7日続伸し、同7.51ポイント(0.3%)高の2616.67と2007年12月31日以来、
約2年11カ月ぶりの高値で終えた。
S&P500種株価指数は同4.72ポイント(0.4%)高の1233.00と08年9月以来の高値だった。
米景気の回復期待から金融など景気敏感株の一 角には買いが優勢となった。
朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が前週比で市場予想以上に減少し、
11月の雇用統計を受けて浮上した米雇用情勢の先行き懸念が和らいだ。
最近の米債券相場の動向を受けて長短金利の拡大で利ざやが改善するとの見方などから、
バンク・オブ・アメリカなど銀行株 を買う動きも続いた。ダウ平均は朝方に40ドル程度上昇する場面もあった。
業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「消費循環」 と「IT(情報技術)」が小幅に下落。
一方、「金融」や「通信サービス」の上げが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約10億株(速報値)、
ナスダック市場(同)は約18億5000万株だった。
マクドナルドが引けにかけて利益確定売りに押され、1%以上下落。ダウ平均で下落率首位となった。
コンピューター外部記憶装置(ストレージ)を手掛ける
コンペレント・テクノロジーズを買収する方向で交渉に入ったと発表したパソコ ン大手デルは小幅安。
コンペレント株は急落した。
アナリストが投資判断を引き下げたと伝わったジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も売られた。
東芝が半導体を生産する工場で一部生産を停止。東芝から部品供給を受けているアップルは小安かった。
一方、前日夕に公的資金の返済に向けた計画を正式に発表した
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は急伸。
米銀大手バンク・オブ・ アメリカは大幅高。10~12月期の受注が好調
と発表したオランダの半導体製造装置大手ASMLの米預託証券(ADR)も買われた。
ハイテク関連では米シ スコシステムズも高い。
特別配当と株式分割の実施を発表した
鉱業大手のフリーポート・マクモラン・コッパー・アンド・ゴールドも上げた。
(日経新聞マネー 12/10 7:33)