非公式ユーロ圏財務相会合(6日)やEU経済・財務相理事会(7日)など、
引き続き欧州信用不安問題の進展が注目されそうだ。
アイルラン ドに対する総額850億ドルの支援が決定されたほか、
IMF(国際通貨基金)が欧州の安定化に向けて一段の支援を行うとの思惑から一旦懸念は後退した感がある。
しかしながら、アイルランドやギリシャにとどまらず、信用不安がより経済規模の大きい、
ポルトガルやイタリア、スペインなどに飛び火するとの警戒感 は根強く、予断を許さない状況に変化はない。
また財政危機は欧州に限った話ではなく、米国の州政府や連邦政府も同様の課題を抱えており、
最終的には米国内の問題にも発展するとの懸念も少なくない。
今週は10年(8日)、30年(9日)の米国債入札が予定されており、需要動向が注目される。
経済指標では10月貿易収支(10日)や12月ミシガン大学消費者信頼感指数(10日)の発表が予定されている。
好調な年末商戦が予想される中で、いち早く 発表される12月の消費者信頼感指数への注目度は高い。
個別企業では、税務サービスのH&Rブロック(7日)や自動車用品小売のオートゾーン(7 日)
卸売のコストコ(8日)、半導体のナショナル・セミコンダクター(9日)の決算発表が予定されている。
先月25日の感謝祭 から本格化している年末商戦は好調な滑り出しを見せている。
全米小売業協会によれば、28日までの4日間の小売売上高が前年同期比9.2%増の450億ドルを記録。
店舗やウェブサイトへの客足は同比8.7%増の2.12億人に達し、
平均購入額も365.34ドルと6.4%増となった模様だ。
金融危機以降、 債務の削減に追われていた米国消費者も、
ようやく支出へと回す余裕が生まれ始めていると見る向きは多い。
雇用統計は予想を下回ったものの 僅かながら民間部門の雇用は拡大しており、
住宅関連指数も堅調であった。夏頃から発表されている経済指標は総じて好調な内容となっており、
小売売上高も7月から4ヶ月連続の伸びを記録している。
欧州信用不安や追加量的緩和などマクロ要因の不透明感は拭えないものの、
米国消費者の多くが雇用情勢、個人債務の 圧縮、住宅価格の下げ止まりなどを肌で実感しており、
消費拡大につながっている様子が伺える。
年末年始にかけても引き続き小売セクターが相場の牽引役とな る可能性は高い。
ブッシュ減税延長可否及び歳出削減策の行方も年末にかけてのテーマとなろう。
特に株式市場に直結するのは株式売買に関わる譲渡益と配当への税率だ。
中でも長期(1年以上)の譲渡益税は現行の15%から20%へと上昇する可能性があり、影響が大きい。
ブッシュ減税が延長されない場合、
1年以上保有して含み益のある銘柄を年末までに一旦売却して利益確定する動きが広がる事になろう。
特に過去1年間の上昇率が高い銘柄ほど売り圧 力が強まる可能性が高い。
一方で含み損については2011年以降に売却する方が有利であり、
年初来下落率の大きい銘柄に対する税金対策の売り圧力は例年よ りも軽微にとどまることになりそうだ。
特に株式保有割合の高い、高額所得者層への減税が延長されるかどうかについて、
年末までに結論が出るかどうかが大き な焦点となろう。