米雇用統計が予想を下振れ、
追加量的緩和観測でドル売り先行へ
12月4日(土)14時55分配信 フィスコ
■84円台半ば重く、米雇用統計への失望に82円台半ばに下落
11/29-12/3のドル・円は、欧州債務危機の拡大懸念によるユーロ・ ドルの売りが続いたことで、ドル買いが優勢となり、83円82銭から堅調推移となって84円41銭まで上昇。だが、中国の利上げ観測を嫌気した東京・上海 株式市場の株安を受けて84円割れ、欧州懸念の継続もあり、リスク回避的な円買いが強まり83円38銭へ下落。ECB理事会で国債買い入れ規模を拡大する 可能性があるとの観測でユーロ・ドル、ユーロ・円が買い戻される動きに連れて反発、米11月ADP全米雇用報告が07年11月以来の水準に改善したことや 米11月ISM製造業景況指数が16ヶ月連続での成長を示したことを好感し84円40銭に上昇。しかし、84円台半ばは本邦実需筋のドル売りオーダーで重 く、上げ止まり。その後、米新規失業保険申請件数の予想以上の増加、予想外の低調な結果となった米11月雇用統計への失望、「バーナンキ米FRB議長、 6000億ドル超の国債購入の可能性も排除せず」報道を受けたドル売りに82円52銭まで下落。
■米追加量的緩和の拡大観測が広がりドル売り先行
12/6-10 のドル・円は、3日発表の米11月雇用統計が
予想外の低調な結果となったこと(失業率が9.8%に上昇、
非農業部門雇用者数が+3.9万人と伸び急減) や、
「バーナンキ米FRB議長、6000億ドル超の国債購入の可能性も排除せず」の報道を受けて、
追加量的緩和の拡大観測が広がる状況となり、米長期金利 低下・ドル売りが強まる展開が見込まれる。
週内の米主要経済指標の発表が10日(金)に集中していることで、
ほぼ週を通して11月雇用統計の影響が強く反映される動きになる可能性がある。
また、引き続き欧州債務危機の拡大懸念、
朝鮮半島の緊張化懸念(ともに状況悪化はリスク回避的なドル買いになる傾向)に も注意が必要になる。
米金融政策については、予想外に低調な結果となった米11月雇用統計、
そして、バーナンキ米FRB議長が米CBSテ レビとのインタビュー(11月30日)で、
米国債買い入れ額が6000億ドルを超える可能性を否定しなかったとされることで、
追加量的緩和の拡大観測が広 がる可能性がある。
日本時間の6日午前9時からバーナンキ米FRB議長が米CBSテレビ報道番組「60ミニッツ」に出演
との予定があり、ここで先のインタ ビューが放映されるではないかと思われる。
米国経済については、1日に発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)で
「11月中旬までの期間に総じて引き続き改善」との見方が示された。
「12地区のうち10地区で強まり、フィラデルフィア、セントルイス地区の状況はまちまち」だった。
個別項目では、住宅市場は「引き続き低迷」。
しかし、融資活動は「ほとんどの地区で安定」、製造業は「ほぼ全地区で引き続き拡大」、
小売、雇用は「ほとんど の地区で改善」。
また、年末商戦の見通しは「おおむね明るく、一部地区で前年を上回る売り上げを見込む」とされており、
10月の報告より前向きな状況がう かがえた。
NY連銀の国債購入は、11月24日が見送られ、市場の失望を誘った(25日は休日、26日は短縮取引でなし)。
だが、29日 は21.7億ドル、72.3億ドルと2度のオペを実施、
その後も30日68.1億ドル、1日81.74億ドル、2日83.1億ドル、3日68.1億ドルと 購入しており、
連日ペースに戻っている。
ここまでの購入総額は875.16億ドルだが、9日にかけて1050億ドルまで国債を購入する予定になっている。
12/6-10 の週は米国債入札があり、7日3年債(320億ドル)、8日10年債(210億ドル、リオープン)、
9日30年債(130億ドル、リオープン)の総額 660億ドルが予定されている。
入札の結果を反映して、米長期金利が上昇すれば、ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下すればドル売 りが強まることになる。
日銀の金融政策については、基金による国債の買い入れは11/8に初入札が実施され始まっているが、
12/3に社 債の初回入札が行われ、コマーシャルペーパーは10日に入札が開始される。
なお、指数連動型上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)も12月 中旬に購入を始める予定になっている。
さて、11/23に北朝鮮が韓国砲撃を行ってから朝鮮半島の緊張状態が続くなか、
28日から12月 1日にかけて実施された米韓合同軍事演習の間、北朝鮮の挑発的行為はみられなかった。
この後は、中国の「6カ国協議の首席代表による緊急会合を北京で12月上旬に開催する」
との提案に対して、まともに取り合うムードになるのか、緊張状態が長引くのかが焦点になる。
6日に日米韓外相会談(米ワシントン)が開催されることになっており、
北朝鮮、中国が動向を注視する状況になりそうだ。
12/6-10の主な予定は、
7日(火):(日)10月景気 動向指数速報値、(米)10月消費者信用残高、
8日(水):(日)10月機械受注、10月経常収支、
9日(木):(日)7-9月期GDP2次速報、森本日 銀審議委員会見、(米)10月卸売在庫・売上、
10日(金):(日)11月企業物価指数、10-12月期法人企業景気予測調査、
(中)11月貿易収 支、(米)10月貿易収支、11月輸出入物価指数、
12月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、11月財政収支。
[予想レンジ]
ドル・円81円00銭-84円00銭