ドル円は底堅い推移

85円台にかけてはドル売りオーダー



11月20日(土)12時58分配信 フィスコ


■米長期金利上昇やリスク回避絡みのドル買いで83円台に続伸

11/15-19のドル・円は、予想を上回った日本の7-9月期GDP1次速報で東京株式市場が堅調に推移したこと、
米国債利回りが続伸したことを受けて82円40銭から堅調スタートし、
好調な米10月小売売上高を受けて83円 28銭へ上昇。
予想外の大幅マイナスとなった米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数を嫌気した売りに82円70銭へ反落後、
米国債利回り上昇を受けたドル買いが継続して反発。
中国の金融引き締め観測やアイルランドの財政問題を
嫌気した欧米株安を受けたリスク回避のドル買いが強まり、83円60銭へ上昇。
米FRB幹部の国債購入6000億ドル満額実施への言及、
予想を下振れた米10月消費者物価指数や住宅着工件数を受けて83円03銭へ反落後、
予想以上に 改善した米11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や先週分新規失業保険申請件数、
米GMの再上場を歓迎した株高に連れて83円79銭まで上昇。
その後、中国が預金準備率を引き上げたが、83円台で推移。


■米主要経済指標を材料に長期金利動向をにらみながらの取引継続

11/22-26 のドル・円は、内外の批判にさらされながらも米国の量的緩和第2弾が進められるなか、
引き続き主要経済指標を材料に、量的緩和拡大観測の推移、
長期金利の 動向をにらみながらの取引になる。
ドルは82円台で底堅くなりつつあるが、
85円台にかけては本邦輸出企業や投資家らのドル売りオーダーが続いており、依然として上値も重い。
なお、米国は25日(木)が感謝祭の休日で休場、
26日はウイークエンドとの谷間で開店休業状態になる傾向にあり、
取引は実質24日 前半辺りまでとなるため、動きが限られる可能性もある。

米国の金融政策については、11/2-3の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追 加量的緩和を決定。
それに対して、G20会合(財務相・中銀総裁会合、サミット)に絡み中国やドイツなどから批判が相次いだが、
ここに来て、米国内からも そうした声が上がっている(エコノミストや大学教授ら23人が非難声明、
米上下両院の共和党指導部が批判書簡)。

FRBにとっては正に内憂外患的な状況となり、追加量的緩和は進めづらいのではないかとの観測が浮上。
ブラード米セントルイス連銀総裁の「国債購入、6000億ドル全額は使わない可能性も」との発言などは、
その観測を後押しすることとなった。

しかし、その後、ローゼングレン米ボストン連銀総裁「6000億ドルの国債購入満額完了へ」、
ロックハート米アトランタ連銀総裁「FRBは国債6000億ド ル全額を買い入れる公算が最も大きい」、
エバンズ米シカゴ連銀総裁「見通しが劇的に変化しない限り、
6000億ドル全額の買い入れを実施へ」など反論的発 言が連続。

また、発表された米10月の生産者物価指数、消費者物価指数が下振れて、
FRBのインフレ低下見通しを裏付ける結果となり、追加緩和実施の正当性が再認識される状況になっている。
ブラード総裁は、その後「インフレの低下傾向に歯止めをかける必要」とも述べている。

NY 連銀は、「11/12-12/9にかけ18回の公開市場操作を実施し、
1050億ドルの国債を購入(合計額には保有証券の償還資金の再投資も含む)」と発表。
12日に72.3億ドル相当の国債を購入して、量的緩和第2弾を開始。
それ以降、15日に79.23億ドル、16日に54.19億ドル、17日に 81.54億ドル、
18日に72.3億ドルと、国債購入を進めている。

米国債入札があり、22日に2年債(350億ドル)、23日に5年 債(350億ドル)、
24日に7年債(290億ドル)の総額990億ドルが予定されている。
入札の結果を反映して、米長期金利が上昇すれば、ドル・円は仕 組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下すればドル売りが強まることになる。

10/15に発表が予定されていた米国の財務省為替政 策報告書が11/11-12のG20サミット後に延期されており、
今後、発表のタイミング、中国に対する判断が注目される。
17日に米議会の米中経済安全保障再検討委員会(超党派、対中政策諮問機関)が2010年版年次報告書を発表。
そのなかでは、人民元問題について為替操作があるとして、
「財務省為替政 策報告書で中国を為替操作国に認定するよう政府に働き掛けるべき」と議会に勧告している。

11/22-26の主な予定は、
23日(火): (日)勤労感謝の日で休場、(米)7-9月期GDP改定値、10月中古住宅販売件数、
       11/2-3米FOMC議事録、米FRB四半期見通し、
24日 (水):(米)10月個人所得・消費支出、10月耐久財受注、11月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、
       10月新築住宅販売件数、9月住宅価格指数、
25日(木):(日)10月貿易収支、(米)感謝祭で休場、
26日(金):(日)10月全国・11月東京都区部消費者物価指数。


[予想レンジ]
ドル・円82円00銭-84円50銭