9.39 (0.08%)米国株、ダウ反発で9ドル高
小売売上高やM&Aを好感、上値重い
15日の米株式市場で、ダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発した。
終値は前週末比9ドル39セント(0.1%)高の1万1201ドル97セントだった。
朝方発表の10月の米小売売上高が予想を上回る増加となり、市場の景況観が改善。
相次ぐ大型M&A(合併・買収)が株式市場への資金流入期待を改めて強めた面もある。
ただ、ドル高を背景に上値も重かった。
10月の小売売上高(季節調整済み、速報値)は3731億300万ドルと、前月に比べて1.2%増加。
自動車販売の好調が貢献し、0.8%程度との市場予想を上回った。
米経済に占める個人消費の寄与度は大きいだけに、景気が持ち直しているとの見方を強める要因となった。
相次ぐM&Aの発表や報道も投資家心理を好転させた。
建機大手のキャタピラーは鉱山用の重機メーカーの米ビュサイラス・インターナショナルを買収すると発表。
コンピューターの外部記憶装置(ストレージ)大手のEMCも同業の買収を発表した。
FRBの追加金融緩和による流動性供給の効果が出ているとの見方が あった。
もっとも、ダウ平均は取引終了間際に下落する場面もあった。
外国為替市場でドル相場が対円やユーロで上昇。
米企業の輸出採算悪化への警戒感が時間の経過とともに強まった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は取引終了間際に下げに転じ、3日続落した。
IT(情報技術)関連の製品需要の先行き不透明感が強く、目先の利益を確定する売りが優勢となった。
終値は前週末比4.39ポイント(0.2%)安の2513.82だった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)は「金融」や「公益」など4業種が上げ、
「素材」など6業種が下げた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億8000万株(速報値)、
ナスダック市場は約18億株(同)だった。
キャタピラーが買いを集め、値上がり率はダウ平均採用銘柄で上位だった。
米市場での販売好調が評価された自動車大手フォード・モーターが大幅高。
鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルなどが買収に関心を持っていると伝わった
米石炭大手マッセイ・エナジーも上げた。
一方、豪英資源大手BHPビリトンによる買収提案撤回を受け、
カナダの肥料メーカーのポタシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワンが続落。
EMCは買収による財務負担が警戒されて売りに押された。
15日発表した利益見通しが市場予想を下回ったホームセンターのロウズも下落した。
(日経新聞マネー 11/16 7:24)