NY円、3日続落 米金利上昇で
12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、
11日のベテラン ズ・デーの休場前の10日に比べて25銭円安・ドル高の1ドル=82円45~55銭で取引を終えた。米長期金利が上昇し、日米の金利差が拡大するとの思惑 から円売り・ドル買いが優勢となった。
前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が決めた米国債買い取りを
ニューヨーク連銀がこの日から実施した。
米金融緩和を手掛かりに上昇してきた米国債相場が材料出尽くし感から下落(米金利は上昇)し、
日米の金利差拡大の 見方から円売り・ドル買いが優勢となった。
フランス、ドイツ、英国など欧州の5カ国の財務相が12日、
信用問題が広がるアイルランドの問 題を踏まえ共同声明を出し、
現在の投資家に新たな負担を押し付けない姿勢を示した。
アイルランドの問題が欧州の金融市場の混乱を招くとの見方がやや和らいだ。
対ユーロで円売りが優勢となり、円売り・ドル買いにつながった。
円の安値は82円66銭、高値は81円94銭だった。
アジア、欧州市場では欧州懸念や中国の株式相場の急落を受けて、
投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から円が高金利通貨に対して買われ、対ドルでも上昇していた。
円は対ユーロで反発し、10日に比べ40銭円高・ユーロ安の1ユーロ=112円95銭~113円05銭で取引を終えた。欧州の財政懸念や中国の株安などを 背景に欧州市場で円買い・ユーロ売りが膨らみ、
円は一時111円04銭と9月16日以来、約2カ月ぶりの高値を付けた。
しかし、欧州5カ国の財務相の共同声明が伝わると円は伸び悩んだ。
ユーロはドルに対して反落し、10日終値の1ユーロ=1.37ドル台後半から1.36ドル台後半に下落した。
欧州の財政懸念やアジア、欧州株式相場の下落などを受けて、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。
欧州市場でユーロは一時1.3573ドルまで下落し、9月30日以来の安値を付けた。
ただ、欧州5カ国の共同声明の内容が伝わると、ユーロの買い戻しが優勢となった。
ニューヨーク市場でのユーロの安値は1.3658ドル、高値は1.3777ドル。
(日経新聞マネー 11/13 10:18)