米雇用統計の上振れでドル買い優勢

82円以上では上値が重い



11月6日(土)14時15分配信 フィスコ



■米追加量的緩和決定も雇用統計改善受け80-81円台で下げ渋り

11/1-5のドル・円は、週明けシドニー市場で80円21銭まで続落後、
大口のドル買い・円売りが観測されたことで
日本のドル買い・円売り介入ではないかとの思惑から81円60銭まで急上昇。
だが、財務省の「為替について コメントせず」を受けて80円32銭に反落。
米10月のISM製造業景気指数、ADP全米雇用報告やISM非製造業景気指数(総合)の改善を好感した買い に
81円52銭へ反発、米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加量的緩和決定を受けて80円90銭に軟化後、
材料出尽くし感から債券利回りが上昇したことで81円59銭に反発したが、
本邦輸出企業・投資家のドル売り、債券利回りが再び低下したことで80円58銭へ反落。
その後、予想を上振れた米10月雇 用統計を好感して81円48銭に反発。
日銀金融政策決定会合では追加緩和策の発表なし。


■米雇用統計改善でドルは一旦底堅い推移に

11/8-12 のドル・円は、
米追加量的緩和決定を受けたドルキャリートレード(ドル売り)の動きが広がりつつあるなか、
5日発表の米10月非農業部門雇用者数が予想以上の増加となってことで、
ドルは一旦底堅い推移になる可能性が高い。
クロス円の堅調傾向(円売り)にも支えられそうだ。しかしながら、
本邦輸出企業のドル 売りオーダーが82円以上に控えているといわれており、
ドルの上昇余地は限られるとみられる。
11-12日のG20サミット(ソウル)では、不均衡是正、
それに絡み通貨安競争回避の問題が協議される予定であり、
また人民元改革へのプレッシャーが一時的に強まりそうだ。

11/2-3の米連邦 公開市場委員会(FOMC)では、
「政策金利は長期にわたり異例の低水準を維持」との姿勢を継続し、
FF金利誘導目標を0-0.25%に据え置くことを決定。
注目の追加量的緩和については、「米長期国債を一月あたり750億ドルのペースで、
2011年第2四半期末までに6000億ドルを追加購入へ」と発表 され、
また、「保有証券から得られる償還資金をより期間の長い国債に再投資する政策を継続
(同期間において2500億-3000億ドル購入へ)」とし、
「資産購入ペースを定期的に見直していく」と表明した。
ホーニグ・カンサスシティ連銀総裁が反対した。景気認識については、
「生産や雇用の回復ペースは依 然遅い」、「家計の消費は緩やかに拡大」、
「住宅着工件数は落ち込んだまま」などの見方を示した。
また、「インフレは目標に比べていくらか低い」として、 ややデフレ警戒を示した。
今回の追加量的緩和はほぼ予想の範囲内だったが、
今後、経済指標を通して米国の景気回復が思わしくないとの見方になった場合は、
資産購入増額の思惑が強まることになる。

米国債入札が、8日に3年債(320億ドル)、9日に10年債(240億ドル)、
10日に30年 債(160億ドル)で総額720億ドル予定されている。
今回も波乱なく消化されるか動向が注目されるが、入札の結果を反映して、
米長期金利が上昇すれば、 ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下すればドル売りが強まる傾向が続く。

2日に行われた米中間選挙では、
上院 (100)は民主党がかろうじて過半数を維持したが、下院(435)では共和党が過半数を獲得した。
「ねじれ議会」になることで、共和党の影響力が当然大きくなり、
また、オバマ政権が「国民の景気回復ペースに対する強いいら立ち」の解消に
今まで以上に注力する方向性を考えれば、今後いろいろな面で中国への 圧力が強まる可能性がある。

11/11-12に韓国ソウルでG20サミットが開催される。
10月22-23日のG20財務相・中銀総裁会 議(韓国・慶州)声明には、
「より市場で決定される通貨制度に移行し、通貨の競争的な切り下げを回避する」、
「先進国は過度な為替相場の変動や無秩序な動 きを監視する」などを明記。
米韓提案「経常収支の上限を2015年までにGDPの4%以内とする」は見送られたが、
G20サミットの場でも議論されること になっている(参考指針の策定模索)。
また、EUは、「いかなる形の保護主義も、短期的な競争上の優位性を得ることを目的として
為替相場に関与することも、回避する必要があることを強調する」との方針であり、
通貨安競争回避の問題も改めて注目されることになる。

11日に米中首脳会談があ る。10月15日に発表が予定されていた米国の財務省為替政策報告書が
「G20首脳会議(11月11-12日)後に延期」(米財務省)されており、
発表の タイミング、中国を為替操作国に指定するのかどうかが注目される。
13-14日には横浜でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催され、
13 日に日米首脳会談がある。

米追加量的緩和決定後の4-5日に開催された日銀金融政策決定会合では、
政策金利の据え置きと、指数連動型上場 投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れの概要を決定。
「週明けに基金による国債の買い入れを開始」と表明した。
追加緩和策が発表され ず、一部に失望がみられたようだが、
日銀は「今後も先行きの経済・物価動向を注意深く点検し適切に政策対応」との姿勢を示した。

さて、9 月30日に日本の財務省から発表された
9月(8/30-9/28)外国為替平衡操作実施状況での為替介入額は2兆1249億円。
9月15日の介入規模の推 計2兆円ほどと比べれば、
「ほぼ推計通りではあるものの、微妙に多め」という印象だったが、
介入の実施日、通貨、規模などの詳細が、7-9月期としてまと めて11月10日前後に発表される。

11/8-12の主な予定は、
8日(月):(日)9月景気動向指数速報値、
9日(火):(日)9月経 常収支、(米)9月卸売在庫・売上、
10日(水):(中)10月貿易収支、(米)9月貿易収支、10月輸出入物価指数、10月財政収支、
11日(木): (日)9月機械受注、10月企業物価指数、(中)10月消費者物価指数、
      10月小売売上高、10月鉱工業生産、(米)ベテランズ・デー休日(株式市場は通 常取引)、
      G20サミット(ソウル、12日まで)、
12日(金):(米)11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、G20サミット(ソウル、最終日)、
13日(土):APEC首脳会議(横浜、14日まで)。


[予想レンジ]
ドル・円80円00銭-82円50銭