史上最安値79円75銭の更新意識、


月末の本邦輸出企業売りも注意


10月23日(土)14時43分配信 フィスコ




■米追加量的緩和観測依然強く一時80円84銭まで下落

10/18-22のドル・円は、
米9月鉱工業生産がリセッション終了後で初めての マイナスとなったことで
米追加量的緩和観測が一段と強まるなか、80円97銭から81円50銭で推移後、
ガイトナー米財務長官発言「米国は強いドルへの自信を保持」で下げ渋り、
中国の利上げを受けたリスク回避的なドル買い、
市場予想上回る9月住宅着工件数を好感した買いにより81円93銭まで上昇。
だが、 株価の下落に連れたリスク回避的なクロス円の売りに連れて反転、
メドレー・グローバル・アドバイザーズがレポートの中で
「米FRBは6カ月間で5000億 ドル規模の国債買い入れを計画、一段の買い入れもあり得る」
との見通しを示したとの話題、
米地区連銀経済報告(ベージュブック)が追加量的緩和を裏付ける内容となる
との観測に80円84銭まで下落。
その後、ガイトナー米財務長官発言
「ユーロと円の対ドル相場はほぼ整合的な水準」
を受けて81円84銭に反発 も、本邦実需筋の売りに反落。



■米追加量的緩和確実視され80円割れ試す流れ継続

10/25-29のドル・円は、米国の追加量的緩和の実施が確実視される状況にあり、
ドル売りが先行する流れは変わらないことから、
ドルの史上最安値79円75銭の更新を意識した展開が依然続く可能性 が高い。
月末にかけての本邦輸出企業のドル売り余地にも注意が必要となる。
ただ、そうしたなかにも、ガイトナー米財務長官発言
「ユーロと円の対ドル相場は ほぼ整合的な水準」の影響、
G20財務相・中銀総裁会議(22-23日、韓国)後の日本の円高への対応
(ドル買い・円売り介入の動向)が注目される。
材料 としては、
米国の経済指標(9月中古住宅販売件数、
9月新築住宅販売件数、
7-9月期GDP速報値、
10月シカゴ購買部協会景気指数など)、
日本の経済指標(9月全国消費者物価指数、
9月鉱工業生産速報値など)、
日銀金融政策決定会合が注目される。


28日に日銀金融政策決定会合がある。
金融政策については、4-5日に開催された会合で、実質ゼロ金利政策の実施と、
資産買い入れなどの基金創設を検討する(事実上の量的緩和)、との追加金融緩和策を決定。
目先はその効果を見極める状況にある。
西村日銀副総裁は20日の会見で、
「円高が企業マインドを悪化させている点も景気下押しの大きな要因」
など円高に対する懸念を示し、「先行きについては適時適切な政策対応をする」と発言。
また、白川日銀総裁は21日の国会答弁で、
「デフレからの出来るだけ 早い脱却に最大限努力」、
「日銀として円高の経済に与える状況を注意している」と述べている。


今回は「経済・物価情勢の展望」(展望レ ポート)をまとめるが
(2011年度までの従来の見通し点検と2012年度の見通しを示す)、GDPは下方修正を検討するとみられ、
それに伴い消費者物価 の上昇率も下方修正する可能性がある模様。
西村日銀副総裁は「7月見通しと比べて経済成長が下振れする可能性が高い」としている。

米国の金融政策については、
今週もロックハート米アトランタ連銀総裁「デフレ阻止するため、FRBの第2弾資産購入を支持」、
エバンズ米シカゴ連銀総裁「緩和策 を拡大させることが望ましい」、
ダドリー米NY連銀総裁「10/1に言及した“追加措置は正当化される”との見解は依然有効」
などの発言が相次いでおり、
11月2-3日の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加量的緩和の実施が確実視される状況。

20日に発表された地区連銀経済報告(ベー ジュブック)では、
総括判断で「9月から10月の初めにかけての経済活動は引き続き緩やかに拡大」と指摘。
個別では、製造業は「活動の拡大は継続」も、
住 宅市場は「依然弱く、ほとんどの地区で住宅販売は前年を下回る」、
融資活動は「ほとんどの地区で低水準で安定」、
雇用は「経済の鈍化に引き続き限られる」 など、
経済活動がまだ低水準で推移している状況が示された。

22-23日のG20財務相・中銀総裁会議(韓国・慶州)では、通貨安競争回避に向けた対応策を協議。
そして、「グローバル不均衡の解消という側面から為替問題が深く議論される」(ユン韓国企画財政相)。
米財務省高官は「G20で 米国は、中国に対し人民元の柔軟化に対する圧力をかけ、
新興諸国に関する国際通貨基金(IMF)の一段と重要な役割に関して協議へ」との方針を示してい る。



米国債入札が、
25日に4年6カ月インフレ指数連動債(リオープン、100億ドル)、
26日に2年債 (350億ドル)、
27日に5年債(350億ドル)、
28日に7年債(290億ドル)で
総額1090億ドル予定されている。
今回も波乱なく消化されるか動向が注目されるが、入札の結果を反映して、
米長期金利が上昇すれば、ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下すればドル売りが強まる傾 向が続く。

10/25-29の主な予定は、
25日(月):(日)9月貿易収支、(米)9月中古住宅販売件数、
26日(火):(米)8月 S&Pケース・シラー住宅価格指数、10月消費者信頼感指数、
27日(水):(米)9月耐久財受注、9月新築住宅販売件数、
28日(木):(日) 日銀金融政策決定会合、経済・物価情勢の展望、
29日(金):(日)9月全国・10月東京都区部消費者物価指数、9月失業率・有効求人倍率、
9月鉱工業生産速報値、(米)7-9月期GDP速報値、
10月シカゴ購買部協会景気指数、10月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値。

[予想レンジ]
ドル・円80円00銭-83円00銭