引き続き多くの7-9月期決算発表が予定されているが、
週初はG20会合の結果を受けた動きが焦点となるだろう。
ドル高によって株価が下落する場面が幾度かあり、
量的緩和期待と為替相場の動きに対する感応度が高まっている。
株式相場にとっては緩やかなドル安誘導と量的緩和期待継続が好ましい結果と見られ る。
決算では、テキサス・インスツルメンツ(25日)やマイクロソフト(28日)、モトローラ(28日)などの
ハイテク大手決算が控えて いる。
またデュポン(26日)やP&G(27日)、エクソン・モービル(28日)、シェブロン(29日)、メルク(29日)などの
ダウ構成銘柄の決算も予定されている。
7-9月期決算に対しては過去2四半期との比較で、慎重な見方も多かったが、
今のところ約8割が予想を上回る決算となっており総じて好感さ れている。
引き続き良好な決算が期待できるだろう。
経済指標関連では9月中古住宅販売(25日)や
10月コンファレンスボード消費者信頼感指数(26日)、
9月耐久財受注(27日)、
7-9月期GDP速報値(29日)
などの発表が予定されている。
特に7-9月期GDP速報値でGDP成長率が低下傾向にあることを示唆する内容となるかが注目だろう。
今のところ2.2%がエコノミストの平均予想となっている。
これを下回るようだと一時的に量的 緩和期待を高める要因となりそうだ。
これまでS&P500採用銘柄のうち159社が7-9月期決算発表を行った。
135社が増 益、125社が予想を上回る内容となっており、
第1-2四半期と比較しても遜色のない概ね良好な決算となっている。
決算発表では売上げや利益など損益計算書の項目に目が行きがちで、
先行き見通しについても米国経済が低成長またはゼロ成長に陥るとの見方から、
主要企業の利益も低下を余儀なくされるとの見方が 少なくない。
しかしながら、主要企業のバランスシート(貸借対照表)が
かつてないほど健全な水準にあることが見落とされがちである。
2011年の予想ベースでは配当性向は25%となっており、
過去数十年の40-60%と比較して大幅に低い水準となっている。
言い換えれば配当を抑えるこ とで、主要企業は内部留保を積み上げ、
潤沢な手元現金を確保しているということである。
手元資金の使途としては
(1)既存事業への投資、
(2)負債返済などバランスシートの強化、
(3)企業買収、
(4)配当、
(5)自社株買い、
が挙げられる。
既存事業への投資とバランスシートの強化に 関しては全体として既に十分な水準にあり、
その結果として米国企業の手元資金が積み上がっていると考えるべきだろう。
企業買収は有力な資金使途の一つであり、実際、最近になって相次いで大型の買収発表が続いている。
しかしながら、必ずしも全ての業界や業種で十分な買収機会が存在するわけで はない。
配当も効果的な株主利益還元策だ。
景気後退局面で減配や無配転落となった銘柄も今年に入って配当再開や増配を行っており、
今後もこの傾向は続くだ ろう。
ただし、低い配当性向にも関わらず、一部の配当利回りは社債利回りを上回る状況が見られる。
また、ある程度の配当成長を織り込んだとしても、
なお主要企業には十二分な余剰資金が残ることになるだろう。
こ のような中、今後多くの企業にとっては、自社株買いが最も有力な資金使途になると見られる。
S&P500指数の2011年予想利益をベースとする株価収益率は僅かに12.5倍である。
自社株式を株価収益率12-13倍の水準で買える状況で、
大幅なプレミアムを支払って他社を買収したり、
0%に近い利率で多額の現金を保有し続けることは理にかなわない。
仮に配当後の内部留保を全て現在の株価で自社株買いに投じたとすれば
6%相当の株式を買い戻すこと ができ、一株利益では6.4%の押し上げ効果がある。
金融危機時のように、金融システムが麻痺するような事態が想定されない限り、
米国企業が異例の高い現預金保有比率を長期間に渡って維持すると想定するのは合理的ではない。
資本市場の安定と共に、株主利益還元策として積極的な自社株買いが今後広がっていくと見られる。