NY円、6日ぶり反落 対ユーロも売り優勢
13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は6営業日ぶりに反落し、
前日比 10銭円安・ドル高の1ドル=81円75~85銭で終えた。
市場予想を上回るユーロ圏の経済指標を受けたユーロ買い・円売りが出たため、
対ドルでも円売り がやや優勢になった。
米株式相場や商品相場が上昇し、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方も、
高金利通貨に対する円売りを誘った。
欧州統計局が発表したユーロ圏16カ国の8月の鉱工業生産は前月比1.0%上昇し、
市場予想(0.7%上昇)を上回った。
12日にドイツ連銀のウェーバー総裁が金融政策を早期に正常化すべきだとの見解を示したこともあって、
対円や対ドルなどに対してユーロが買われた。
米株式市場では、ダウ工業株30種平均の上げ幅が一時130ドルを超えた。
金先物相場が4営業日ぶりに最高値を更新するなど、商品相場も堅調だった。
投資 家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から、
相対的に金利の高い通貨に対して低金利の円やドルが売られたことも円相場の重荷になった。
円の安値は81円 98銭だった。
一方、米連邦準備理事会(FRB)が前日に公表した
9月21日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、
追加的 な金融緩和の具体策を議論していたことが明らかになったことを受けた
円買い・ドル売りも入り円の上値を抑えた。
円の高値は81円72銭で、値幅は26銭と 小幅だった。
円は対ユーロで4営業日ぶりに反落し、前日比35銭円安・ユーロ高の1ユーロ=114円15~25銭で終えた。
ユーロ圏の指標改善や株式相場などの上昇を背景にした円売り・ユーロ買いが優勢だった。
円は一時114円37銭まで下げ幅を広げた。
ユーロは対ドルで反発し、前日の1ユーロ=1.39ドル台前半から1.39ドル台後半に水準を切り上げた。
追加緩和に傾く米FRBに対し、欧州中央銀行 (ECB)が金融政策の正常化を模索している
との見方からユーロ買い・ドル売りが優勢になった。
欧州の指標改善もあってユーロはロンドン市場で 1.4002ドルまで上げ幅を広げた。
ただ、この水準では利益確定目的のユーロ売り・ドル買いも出て伸び悩んだ。
ニューヨーク市場のユーロの高値は 1.3993ドル、安値は1.3912ドル。
オーストラリア(豪)ドルは一時1豪ドル=0.9937ドルと、
オーストラリアが変動相場制 に移行した1983年12月以降の高値を更新した。
FRBの追加緩和観測が一段と強まる一方、
オーストラリア準備銀行(中央銀行)が年内に利上げするとの 観測から
豪ドル買い・米ドル売りが膨らんだ。
金など商品相場の上昇も、資源産出国である豪ドルへの買いを誘った。
(日経新聞マネー 10/14 6:47)