米国株式市場見通し:7-9月決算発表が本格化、ハイテクや金融が焦点
10月9日(土)11時01分配信 フィスコ
11日(月曜日)はコロンブスデーで債券や為替市場は休場となるものの、株式市場は通常取引となる。

また、7-9月決算発表も本格化する。インテル(12日)、JPモルガン・チェース(13日)、AMD(14日)、グーグル(14日)、GE(15日)などの各業界大手の決算発表が予定されており注目される。特にハイテク大手は9月の株式相場上昇の牽引役となったこともあり、業績がついてくるかが焦点となりそうだ。下半期は半導体需要の落ち込みが想定されているが、スマートフォン関連がどの程度需要を補うかがポイントとなるだろう。

金融大手はドット・フランク法(新金融規制法案)成立後の影響が反映された初めての決算となる。先日、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど大手行が相次いで、手続き上の不備があったとして、住宅差し押さえを一時凍結することを発表したが、これが与える業績への影響にも注意が必要だ。株式相場全体としては来年の利益予想を根拠に株価の割安さを指摘する向きが多いものの、果たして2011年にかけても利益2桁成長を維持できる見通しが決算で示されるかを見極める必要がある。

経済指標関連では、10月NY連銀製造業景気指数(15日)や9月小売売上高(15日)などが予定されている。また量的緩和観測を受けたインフレ懸念の台頭にも注意が必要だ。13日と14日にはそれぞれ10年物及び30年物米国債の入札が予定されており、需要動向が注目されることになろう。

著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、雑誌フォーチュン主催のカンファレンスで「明らかに債券より株式が割安であり、ポートフォリオの債券の割合を高める論理的根拠を見いだせない」と述べ、債券が割高であることを指摘した。

この見方はバフェット氏に限ったものではなく、大手ヘッジファンド運用のジョン・ポールソン氏や投資・金融研究で著名なジャーミー・シーゲル博士など、投資家や経済学者の間でも同様の見方が広がりつつある。

債券と株式の相対的な割安度を見る方法として、社債10年物の利回りと配当利回りを比べると、アルトリアやジョンソン&ジョンソン、プロクター&ギャンブル、シェブロンなどの大企業で、配当利回りが社債利回りを上回るという状況が確認できる。

債券投資の人気は過去10年間の株式投資が報われなかったことや、金融危機、今年5月の株価急落(フラッシュ・クラッシュ)などで投資家は株式投資に悲観的になっており、更にベビーブーマー世代が退職期を迎えて保守的な運用へとシフトしていることが原因と考えられる。

しかしながら、一連の経済危機を受けた政府の景気刺激策や連銀の金融緩和策は、財政赤字や通貨安に繋がり、中長期的なインフレのリスクを確実に高めることになる。金価格が最高値を更新したほか、商品価格全般の上昇が続いていることも通貨安やインフレ懸念を反映したものだ。事実上のゼロ金利下で、インフレの兆しが少しでも見えれば満期の長い債券ほど大きな下落リスクを負うことになる。

先週金曜日に発表された9月雇用統計も予想を大幅に下回ったことから、次回のFOMCでは追加量的緩和が発表されるとの見方が広がっている。追加量的緩和では米国債の買取り拡大などが中心となる見込みで、一時的には金利を引き下げる効果が期待できるものの、理論上、紙幣をバラまいていることと同義である。現在の所、アメリカの市場は債券高、株高で反応しているが、そもそもドルという通貨自体の信認に疑義がかかり始めると要注意である。