米追加緩和の観測で



24日のニューヨーク外国為替市場で円相場は5日続伸し、

前日比15銭円高・ドル安の1ドル=84円15~25銭で取引を終えた。

米国で金融緩和策が拡大されるとの見方が引き続き円買い・ドル売りを誘った。

 

8月の米耐久財受注額は前月比で減少したが、変動の大きい輸送関連を除くベースでは2%増加した。

米景気低迷が続くことへの過度の懸念を和らげると同時 に、

全体では減少したことで米連邦準備理事会(FRB)による追加的な金融緩和を後押しする内容

と受け止められ、ドルが対主要通貨で下落した。

 

欧米の株式相場が上昇し、投資家が運用リスクを取りやすくなる

との見方も高金利通貨に対するドル売りを促した。対円でもドルは売り優勢となった。

円は朝方に84円12銭まで上昇し、日本政府・日銀が円売り介入を実施した15日以降の高値を付けた。

 

ただ、介入への警戒感が根強く、84円台前半では円買いが手控えられ、円の上値は重くなった。

バーナンキFRB議長が講演したが、金融政策の方向性に関する発言がなかったため、

特に材料視されなかった。円の安値は84円48銭だった。

 

円は対ユーロで大幅に反落し、前日比1円25銭円安・ユーロ高の1ユーロ=113円55~65銭で取引を終えた。

独Ifo経済研究所が発表した9月の企業 景況感指数は、市場予想に反して前月比で上昇した。

前日発表の9月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)を受けて強まった欧州の景気懸念がやや後退 し、

円売り・ユーロ買いが優勢となった。

 

欧米株高を受けて、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から低金利の円が売られた面もあった。

円は一時113円78銭まで下落し、8月9日以来の安値を付けた。

 

ユーロはドルに対して大幅に反発し、前日終値の1ユーロ=1.33ドル台前半から1.34ドル台後半に上昇した。

欧米の経済指標や株高を受けて、ユーロ買 い・ドル売りが優勢となった。

ユーロは一時1.3496ドルまで上昇し、4月20日以来ほぼ5カ月ぶりの高値を付けた。

ユーロの安値は1.3403ドル だった。

                                   (日経新聞マネー 9/25 8:08)