■日銀の6年半ぶりの円売り介入を受けて85円台に急反発
9/13-17のドル・円は、11日発表の中国8月鉱工業生産の上振れや、
12日合意のバーゼル銀行監督委員会の新自己資本規制案が予想ほど厳しい内容でなかったことを受けた、
ユーロ買い、豪ドル買いをきっかけにドル売りが先行し、84円43銭から軟調スタート。
株高となったものの米債券利回りが低下、日本の民主党代表選で菅首相の続投が決まったことで
早期介入警戒感が後退、米国の追加緩和策導入観測が強まりに83円割れ。
15日になり、人民元高、野田財務相「ノーコメント」で、82円87銭まで下落した。
そこで日銀が2004年3月以来のドル買い・円売り介入を実施、
ドル・円、クロス円のショートカバーの買いが急速に強まり85円乗せ、
日銀が欧米市場にかけても断続的に介入を行ったことで85円78銭へ上昇。
本邦輸出企業の活発ドル売りで85円23銭に反落後、
根強い介入警戒感、予想外に減少した米新規失業保険申請件数を受けた債券利回り上昇に85円94銭まで上昇。
■日本の円売り介入姿勢見極めと米経済指標に注目
9/20-23 のドル・円は、15日に日本のドル買い・円売り介入が実施されたことを受けて、
当面は介入警戒から下値が限られ、戻り余地を探るような動きになると思われ る。
介入の今後の行方が焦点となり、どの程度下がったところで介入に出るのかや、
初日のような過去最大規模の介入が続けられるのかなどが注目されることに なる。
もう一方で、米国の景気減速懸念が続くなか、
主要経済指標の発表にも引き続き注意が必要になり(住宅関連指標が多い)、
また、追加金融緩和観測が浮 上している折、米連邦公開市場委員会(FOMC、21日)の判断も注目される。
日本の財務省・日銀が15日午前10時35分頃、
2004 年3月16日以来となるドル買い・円売り介入を実施した。
前日14日の民主党代表選挙では菅首相が大差で当選し、続投が決定。それを受けて、
ドル・円は目 先的に(小沢前幹事長の介入積極姿勢との対比において)
早期介入の可能性が後退との見方から、83円以下を試す動きが強まった矢先であった。
野 田財務相は為替介入実施について、
「足元の円高は日本経済、金融の安定に悪影響を及ぼすので看過できない」とし、
「今後も引き続き為替動向を注視し、介入 を含め断固たる措置をとる」と述べた。
また、「日本単独の介入。必要な関係当局との緊密な連携はとっているが、
反応についてはコメントを控える」とも述べ た。
次いで、白川日銀総裁が「強力な金融緩和を推進する中で、
今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく」と述べ、
介入資金を吸収しない非不胎化とす ることを示唆。
17日、決済となった15日の為替介入相当資金(1.8兆円規模)は、資金吸収オペ実施が見送られ放置された。
日銀は15 日の東京市場で82円台から85円台まで断続的にドル買い・円売り介入を実施、
その後の欧米市場でも介入しており、押し上げ的な介入の印象を与えている。
今後どういう介入姿勢を取るかはまだ不明だが、
中間決算に向けて本邦輸出企業がヘッジ比率を高める余地がある状況などを思えば、
少なくとも9月末まではド ル・円で85円をあまり下回らないようにしようとする可能性が考えられる。
日本の介入実施に対して、米国は15日、ホワイトハウスが
「円 または他の通貨の市場動向についてはコメントしない」、
FRBと財務省は「日本の為替介入にコメント差し控える」との姿勢をみせた。
そして、16日にガイ トナー米財務長官が上院銀行委での人民元に関する公聴会で証言を行ったが、
そのなかでは日本の介入への言及が控えられ、「黙認」というような状況になって いる。
ただし、議会からは、レビン米下院歳入委員会委員長「(日本の円売り介入)非常に気掛かりだ」、
ドッド米上院銀行委員会委員長「日本の介入はブレト ンウッズ協定に反する」などの発言が出ている。
なお、菅首相は、ニューヨークでの国連総会出席に際し、
23日にオバマ米大統領と首脳会談 を開くことが決定。
米軍普天間基地移設問題をはじめ安全保障問題や経済問題(介入への言及はない
との観測だが)など幅広く協議する予定とのこと。
また、同 じ日、米中首脳会談も開催されることになり、
その場ではオバマ大統領の人民元問題への言及が注目される。
米連邦公開市場委員会 (FOMC)が21日に開催される。
景気減速懸念が続くなかで、声明では、引き続き米国の景気認識のほか、
ここにきて長期国債の買い入れなど追加金融緩和 観測が浮上している折、
追加緩和措置の実施、または、その可能性への言及などが注目される。
8日に発表された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、
「8月末までの6週間で経済成長が減速する“幅広い兆候”が見られた」と指摘されている。
9/20-24の主な予定は、
20日(月): (日)東京休場(敬老の日)、(米)9月NAHB住宅市場指数、
21日(火):(米)8月住宅着工件数・住宅建設許可件数、連邦公開市場委員会 (FOMC)、
22日(水):(日)7月全産業活動指数、宮尾日銀審議委員会見、(米)7月住宅価格指数(連邦住宅金融局)、
23日(木):(日)東京休 場(秋分の日)、(米)8月中古住宅販売件数、8月景気先行指数、
24日(金):(米)8月耐久財受注、8月新築住宅販売件数。
[予想レンジ]
ドル・円84円00銭-87円00銭