「日銀追加金融緩和策決定も予想の範囲内で円高地合継続」
8/30-9/3のドル・円は、
週明け日銀の臨時金融政策決定会合での追加金融 緩和策への期待で85円32銭から85円91銭まで上昇したが、
追加金融緩和策が「期間6カ月の資金供給10兆円」だったことを受けて84円06銭に下落。
予想を上回る米6月S&Pケース・シラー住宅価格指数や米8月消費者信頼感指数に84円61銭へ反発、
米FOMC議事録での景気判断下向き再 確認で83円83銭へ下落、
小沢民主党前幹事長発言「今後の急激な円高には為替介入を含むあらゆる方策実施」で84円58銭に反発後、
予想外の減少となっ た米8月ADP全米雇用報告を受けて83円66銭まで下落。
その後は、米8月ISM製造業景況指数のサプライズ的な上昇、
米アドバイザリー会社レポート 「円が急騰した場合の介入リスクが強まった」、
予想以上に改善した米8月雇用統計を受けて85円23銭に反発も、
予想以上に悪化した米8月ISM非製造業 景況総合指数を嫌気し84円23銭へ反落。
「米8月雇用者数の改善を受けた株反発、金利上昇、ドル買いは続くか」
9/6-10 のドル・円は、米国8月雇用者数の改善を受けて景気二番底懸念が後退したことで、
株反発、長期金利上昇となった流れが継続してドルの買い戻しが進むのかが 焦点となる。
材料としては、米主要経済指標の発表が7月貿易収支(9日)のみであるため、
米地区連銀経済報告(ベージュブック、8日)やオバマ米大統領の
「広範な追加景気対策」の発表が注目される。
ドル・円は、85円台や86円台では本邦輸出企業や投資家のドル売り、
短期筋の戻り売りなどが強まるとみられ、戻り余地は限られる可能性がある。
下は、83円50銭を切れば、オプション絡みなどのストップ・ロス的なドル売りが強まり、
下落が加速する可能性があ るが、同時に日本の通貨当局による
ドル買い・円売り介入に対する警戒感も強まりそうだ。
8/31に公表された8月10日開催の米連邦公開 市場委員会(FOMC)議事録では、
「見通しが一段と目立って弱まった場合、FOMCは追加刺激策の実施に向け、可能な措置を検討する必要」
と指摘された。
また、「数人のメンバーは経済の下方はまだ明確ではないと主張」、
「一部メンバーは2010年の成長は潜在的水準を大幅に下回ると予想」、
「下半期の 成長は当初の予想以上に緩やかに」などの見解がみられ、景気判断の下方修正が再確認された。
そうしたなかで9月3日に発表された米8月の 雇用統計では、失業率が9.6%に悪化(7月9.5%)。
だが、非農業部門雇用者数が-5.4万人となり(予想-10.5万人)、
7月分も-5.4万人に 修正(当初-13.1万人)。
また、民間部門雇用者数が+6.7万人となり(予想+4.0万人)、
7月分も+10.7万人に修正され(当初+7.1万 人)、雇用に改善がみられたことで、景気二番底懸念が後退した。
8日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される。
21日の次回 FOMCに向けて、各地域の景況感、雇用状況、住宅市場の現状などが注目されるが、
前回からどの程度まで悪化しているのかが焦点になる。
オバマ米大統領が 来週中に追加景気対策を発表する予定で、
中間所得層の減税拡大や企業向け減税などが選択肢となる模様。
米国債入札が、7日に3年債 (330億ドル)、8日に10年債(リオープン、210億ドル)、
9日に30年債(リオープン、130億ドル)で総額670億ドル予定されている。
今回も 波乱なく消化されるか動向が注目されるが、入札の結果を反映して、
米長期金利が上昇すれば、ドル・円は仕組み債絡みなどのドル買いが強まり、
金利が低下す ればドル売りが強まる傾向が続く。
なお、サマーズ国家経済会議議長が4日から3日間の日程で北京を訪問。
王岐山副首相や戴秉国・国務委員ら中国指導部と幅広い問題について議論する予定。
ドニロン大統領副補佐官(国家安全保障担当)が同行。
民主党代表(次期首相)選挙が9/1に告示され、14日の投開票に向け、
菅首相と小沢前幹事長の一騎打ちで選挙戦がスタートした。
菅首相は8/30に円高・ 経済対策の基本方針を発表
(雇用、投資、消費、地域の防災対策、規制・制度改革が5本柱。
9/10に経済対策決定。経済危機対応・地域活性化予備費 9200億円を活用)、
同日、日銀が臨時金融政策決定会合を開催し、
「3月からの新型オペ(規模20兆円、期間3カ月)に、新たに10兆円・6カ月のオペ を追加する」
との追加金融緩和策を決めた。
だが、予想の範囲内として、その後も米景気減速によるドル売りに起因した円高傾向が続いている。
小沢前幹事長については、次期首相になれば、民主党マニフェストに忠実たらんとすることにより、
財政支出拡大、財政再建路線の後退から円安がイメージされる。
ただ、日米関係が不安視されるようなら、外圧的な円高になるパターンも考えられる。
民主党代表選に突入したことにより、マーケットでは介入警戒感が強まっているとの見方が出ている。
「円高阻止」は、菅首相には指導力をアピールするいい機会になる可能性が考えられる。
また、小沢前幹事長については、政見発表時に
「今後の急激な円高には為替介入を含むあらゆる方策実施」と述べたことで、
「小沢 候補」に対する海外短期筋の関心が一気に高まっているようだ。
小沢前幹事長はその後も「日本だけでも為替介入すべき急激な円高ではないか」と発言してい る。
9/6-7に日銀金融政策決定会合がある。
8/30に決めた追加緩和措置の効果を見極める姿勢を示すとみられるが、
そのほかの措置を 模索する姿勢もみせるのかが注目される(白川日銀総裁は8/30の会見で
「国債買い入れオペは現在の規模が最適」と発言しているが)。
また、円高に対する 見解も(あれば)注目されそうだ。
9/6-10の主な予定は、
6日(月):(日)日銀金融政策決定会合(7日迄)、(米)レーバーデーで 休場
7日(火):(日)日銀政策金利発表、白川日銀総裁会見、7月景気動向指数速報値
8日(水):(日)7月機械受注、7月経常収支、9月日銀金融経 済月報、(米)地区連銀経済報告(ベージュブック)
7月消費者信用残高
9日(木):(米)7月貿易収支
10日(金):(日)4-6月期GDP2次速報、8月企業物価指数、日銀金融政策決定会合議事要旨(8/9-10)
(米)7月卸売在庫・売上。
[予想レンジ]
ドル・円83円50銭-86円50銭