米・金利および景気の下向き観測


ドル売りの流れ継続



8月14日(土)15時00分配信 フィスコ



「米追加緩和措置決定で84円72銭まで下落」

8/9-13のドル・円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和措置を取るとの思惑による
株反発などにショートカバーの買いが強まり、85円30銭から86円25銭へ上昇。
だが、米FOMCにおいて政策金利を超低金利で長期間維持する姿勢を再確認、
景気認識を下方修正、住宅ローン担保証券(MBS)償還金の
米国債再投資を表明(追加緩和措置を決定)したことを受け、米長期金利低下に伴いドル売 り再開。
85円00銭のオプション・トリガーを試すドル売り、米景気減速懸念
中国の経済指標鈍化などによる株安に連れたクロス円の売りに、84円72銭 まで下落した。
その後、介入警戒感から買い戻しが強まり、菅首相発言「(円高)動きが激しい」、
日銀レートチェックの報道、「野田財務相が急遽会見」との 発表、
「円高対応、首相と日銀総裁が(来週にも)会談へ」との報道に86円台回復、
予想を上回る米8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値や米6月企業在 庫を好感し86円39銭まで上昇。

「基本的に米長期金利の低下によるドル売りの流れ継続」

8/16-20のドル・円は、基本的に 米長期金利の低下によりドルの下値を試す展開が続くとみられる。
ともに10日開催された日米の金融政策会合で、日銀は景気認識の維持に、追加緩和措置な し、
一方、米FRBは景気認識を下方修正し、追加緩和措置を決めたことで、
米長期金利の低下によるドル売り・円買いに動きやすい状況になっている。
また、 米国の景気減速懸念により株式市場の下落傾向が続けば、
クロス円の売り圧力の影響も受けざるを得ない。
ただ、日本における円高牽制の動きが活発になってき ており、今後の動向に注意が必要になる。
本邦では、16日に米国債償還・利払い絡みのドル売り(円買い)需要が高まる。

米国の金融政策に ついては、10日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、
政策金利であるFF金利誘導目標水準を0-0.25%のレンジに据え置くことを決定。
声明で「政策金利を超低金利で長期間維持する」との姿勢を再確認した。
また、「景気回復ペースや雇用は、ここ数ヶ月で鈍化した」、
「短期的な景気回復ペー スは、以前予想されたよりもさらに緩やか」など、景気認識を下方修正した。

そして、「物価安定下で景気回復を支援するため、
住宅ローン担 保証券(MBS)の償還金を米国債に再投資(2-10年物の米国債に購入を集中)していくことで、
保有する証券の水準(2.054兆ドル)を維持する」と 量的緩和策の維持を表明、追加緩和策を決定した。
再投資に伴う証券購入については、NY連銀が「8月17日から9月13日に180億ドル規模の国債や
イン フレ連動債(TIPS)を購入する」と発表しており、来週からスタートする。

日本の金融政策については、9-10日の日銀金融政策決定会合で、
政策金利(0.1%)の現状維持を全員一致で決定。
声明で「日本の景気は海外経済の改善を起点として、緩やかに回復しつつある」、
「先行きは回復傾向をたどるとみられる」との景気認識を示した。

追 加緩和措置はなく、白川日銀総裁は会見で
「為替の水準は景気動向に影響するが、ただちに政策が決まってくるということではない」、
「昨年12月の円高局面 と比べ、世界経済・金融環境・企業収益は改善している」などと述べた。
また、「本日の会合で円高の景気への影響などをずいぶん時間をかけて議論した」と し、
「円高の進行は短期的に輸出・企業収益の下押し要因」
「円高は企業マインドの下振れ要因」など懸念される影響を挙げた。

国内では12 日に政府・日銀による円高牽制の動きがいろいろみられた。
玉木財務官が中曽日銀理事と、為替動向に加え、金融や内外の全般について意見交換。
夏休み静養中 の菅首相が電話で仙谷官房長官に「(円高)動きが激しい」と伝え、
夏休み中の野田財務相が緊急会見を開催(「昨今の為替に重大な関心」と発言)。
白川日銀 総裁は談話を発表(「影響を注意深くみていく」と表明)。
そして、「12日午後の取引で日銀がレートチェックを実施した」との報道に、
中曽日銀理事は 「(レートチェック)為替市場の動きについて注意深く見ていることの一環」と述べた。
一部報道で「来週にも、菅首相と白川日銀総裁が会談し、
円高の現状や 対応を話し合う方向で調整している」と伝えられており、牽制の広がりがみられるのか
動向が注目される。

8/16-20の主な予定は、
16日(月):(日)4-6月期GDP1次速報、6月第3次産業活動指数、(米)8月NY連銀製造業景気指数、
6月対米証券投資、8月住宅建設業者 (NAHB)指数、
17日(火):(米)7月生産者物価指数、7月住宅着工件数・住宅着工許可件数、7月鉱工業生産・設備稼働率、
19日(木):(日)6 月全産業活動指数、(米)8月フィラデルフィア連銀業況指数、7月景気先行指数。

[予想レンジ]
ドル・円84円50銭-87円50銭