米指標や株安、金利低下で



28日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、

前日比45銭円高・ドル安の1ドル=87円40~50銭で取引を終えた。

6月の米耐久財受注額が市場予想に反して減少したことや、

米地区連銀経済報告(ベージュブック)後の米株安などを材料に円が買われた。


87円台後半で始まった後、

耐久財受注が前月比1.0%減と市場予想(1.0%増)に反して減少したことなどを受け円買いが先行した。

米5年物国債入札が好調な結果となり、米国債利回りが低下したことも円買い・ドル売りを誘った。

 

米連邦準備理事会(FRB)が午後に発表したベージュブックでは、

全12地区のうち4地区で経済活動の伸びが鈍化、または横ばいにとどまったことが明らかになった。

市場の予想範囲内だったとして、直後の為替相場の反応は限られた。

ただ米株式相場が下げ幅を広げたため、

投資家がリスク資産を手じまう際の逃避先となりやすい低金利通貨の円は買われ、

87円25銭まで上げる場面があった。

 

欧州市場では円キャリー取引(低金利の円を借りて高金利通貨で運用する取引)が活発になったといい、

円は約2週間ぶりに88円12銭まで下落する場面があった。

ただ88円台で下値の堅さが意識された面もあり、円は買い戻された。

 

ニューヨーク市場での円の安値は87円85銭だった。

 

円は対ユーロで反発。前日比60銭円高・ユーロ安の1ユーロ=113円60~70銭で取引を終えた。

欧州市場では114円74銭と5月18日以来、約2カ月ぶりの円安・ユーロ高水準を付ける場面があった。

円はその後、対ドルなどで買い戻されたため、ニューヨーク市場に入って対ユーロでも上げに転じた。

 

ユーロはドルに対して連日で横ばい。

前日終値と同じ1ユーロ=1.30ドルちょうど近辺だった。

欧州金融不安の後退を受けたユーロの買い戻しが一服したとの声があり、方向感なくもみ合った。

ユーロの高値は1.3030ドル、安値は1.2969ドルだった。

                                       (日経新聞マネー 7/29 6:43)