政権運営の不透明感が円の重荷


9日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、

前日比25銭円安・ドル高の1ドル=88円55~65銭で取引を終えた。

11日に投開票される日本の参院選を前に与党で過半数を確保するのは難しくなったとの見通しから、

政権運営に対する不透明感が台頭し、円の重荷になったとの指摘があった。

 

米債券市場では10年債利回りが6月下旬以来の水準に上昇した。

最近の利回り低下が一服し日米金利差の縮小観測が後退したため、円売り・ドル買いを誘った面もあるようだ。

米株式相場が取引終了にかけ上げ幅をやや拡大すると、投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方が出て

低金利の円はオーストラリアドルなど高金利通貨に対し下落。これも対ドルでの円売りにつながった。

 

ニューヨーク市場での円の安値は88円68銭、高値は88円41銭。値幅は27銭にとどまった。

 

円は対ユーロで7営業日ぶりに反発し、

前日比15銭円高・ユーロ安の1ユーロ=111円95銭~112円05銭で取引を終えた。

前日まで円は6日続落していたため、週末を控えユーロの利益確定売りが出やすかった。

 

ユーロは対ドルで7営業日ぶりに反落した。

前日終値の1ユーロ=1.27ドルちょうど近辺から1.26ドル台前半に下落した。

東京市場でユーロは対ドルでほぼ2カ月ぶりの高値を付けており、反動でユーロ売り・ドル買いが出た。

この日の安値は1.2609ドル、高値は1.2660ドル。

 

カナダドルが対米ドルで大幅に上昇。

前日終値の1米ドル=1.04カナダドル台前半から1.03カナダドル台前半に上げた。

同日発表の6月のカナダの雇用者数が市場予想以上に増加した。

同国経済の改善期待やカナダ中央銀行による早期利上げ観測が強まり、

カナダドル買い・米ドル売りが優勢になったという。

                                        (日経新聞マネー 7/10 6:45)