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米国株3日続伸、ダウ120ドル高 雇用への警戒感後退

小売株の一角に買い



8日の米株式相場は大幅に3日続伸した。

ダウ工業株30種平均は前日比120ドル71セント(1.2%)高の1万0138ドル99セントと、きょうの高値圏で終えた。

米雇用に対する過度の警戒感が後退したうえ、

6月の既存店売上高が市場予想を上回った一部の小売株が買われ、相場を押し上げた。

 

ダウ平均はほぼ2週間ぶりの水準を回復し、3日間の上昇率は4.7%となった。

ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は、前日比15.93ポイント(0.7%)高の2175.40で終えた。

 

週間の新規失業保険申請件数が45万4000件と、前週の改定値に比べ2万1000件減少した。

46万件程度だった市場予想より少なかった。

6月の米雇用統計をきっかけに広がっていた米労働市場の回復が鈍化することへの過度の警戒感が後退した。

 

6月の小売各社の既存店売上高は、全体では予想並みの伸びにとどまった。

ただ、百貨店大手JCペニーやメーシーズ、ティーン向け衣料品大手のアバークロンビー・アンド・フィッチなど

予想以上に伸びた一部の小売株が買われ、相場の支えとなった。


欧州中央銀行(ECB)が8日の定例理事会で政策金利の据え置きを決めた。

理事会後の記者会見でトリシェ総裁が金融市場へ厚めの資金供給を継続する姿勢を示した。

欧州株式相場が総じて上昇し、投資家心理の改善につながった。

世界的な株高で投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から、国際商品市況の一角が回復。

素材株が買われ、相場を押し上げた。

 

業種別S&P500種株価指数は全10業種が上昇した。

「素材」や「消費安定」、「一般産業」、「エネルギー」の上げが目立った。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億7000万株(速報値)、ナスダック市場は約20億株(同)。

 

未公開株投資関連の資産約10億ドルの売却で近く合意する見通し

と伝わった米銀大手シティグループが1%あまり上昇。

日本法人が8日、有料の電子書籍サービスを年明けに日本で始める

と発表したインターネット検索大手グーグルも買われた。

 

デンソーと保有特許をお互いに利用できるクロスライセンス契約を結んだ

と7日に発表したマイクロソフトは小幅高で終えた。

前日にソフト会社の買収を発表した航空機大手ボーイングが2%以上上昇した。

 

一方、著名アナリストのメレディス・ホイットニー氏が1株利益の見通しを大幅に引き下げた

と伝わった米金融大手ゴールドマン・サックスが小幅安で終えた。

6月の既存店売上高が市場予想に届かなかった

衣料品大手ギャップやディスカウントストア大手ターゲットも売られた。

ダウ平均構成銘柄では半導体大手インテルが唯一下落した。

                                   (日経新聞マネー 7/9 6:30)