下値を探る展開

日経平均9076円の攻防が注目ポイント



7月3日(土)15時18分配信 フィスコ


7/5-9は当面の下値を探る展開となりそうだ。
欧州各国の政府・中銀は銀行の資産査定(ストレステスト)の対象範囲を拡大する方針を掲げた。
懸念される中小金融機関にまで査定対象を広げたことは、透明性を高める意味では評価されよう。
一方、早ければ7月上旬にも発表される可能性があった結果の公表時期だが、
7月下旬にまでずれ込む可能性が高まったといえる。

今後の日程をみると、市場関係者から特に注目されるものは、
再来週12日から非鉄大手アルコアを皮切りに本格化する米主要企業の10年第2四半期決算発表、
14日発表の米小売売上高、20日の住宅着工件数までなく、7/5-9はいわば「イベントの空白期」にあたると考える。
国内では7日(水)発表の6月携帯電話契約数、
8日(木)発表の5月機械受注、6月オフィス空室率、6月工作機械受注などが注目されるが、
これらはいずれもセクター間の動きに限定されよう。
7月オプションSQ以外には模様眺めを決め込むほどのイベントが少ないとみられるだけに、
海外発のニュースフロ-に相場動向は左右されやすく、比較的ボラタイルな展開となることも想定しておきたい。

焦点は引き続き外部環境となるが、
7/2発表の米6月雇用統計の結果を受けた米国株市場の動向には注目したい。
ただし、米国株市場はS&P500種株価指数が今年2月以降のサポートラインとみられていた
1040Pを明確に割り込んでおり、当面は上値が限定的となる公算も大きい。
日本株市場についても、日経平均株価の岩盤になると思われたダブルボトム(5月27日と6月9日で構成)を
アッサリと割り込んだことで、当面の重しとして機能することも懸念されよう。
テクニカル面ではボトム圏入りを示唆する指標も散見され始めているが、
VIX指数が30超水準で推移するなかでは投資妙味は乏しい水準でもあり、
よほどポジティブなニュースフローが出てこない限りは積極的な買いが期待しづらい。

一方、下値については引き続き波乱含みの展開が想定されてくる。
短期的には円高が一服しつつあるとはいえ、「質への逃避」を追及する姿勢に変化がなければ、
相対的な安全資産として円の底堅さは続くと思われる。
6月調査日銀短観では、大企業製造業の2010年度想定為替レートが90円18銭と、円高方向へ修正されながらも、
大企業製造業の業況判断指数(DI)は08年6月調査以来のプラス転換を果たしている。
過度な円高懸念さえ払拭されれば、国内4-6月期決算発表時に通期業績の上方修正期待が高まるものの、
世界経済の「2番底懸念」が再び台頭するようであれば、
為替市場の円高を通じた下方修正リスクが織り込まれる懸念もあり、正念場に差し掛かっていると考える。

日経平均株価で特に重要な注目ポイントは、
ドバイ・ショック時につけた昨年11/27安値9076円を死守できるか否かだろう。
同安値は今年4月高値11408円に至るまでの中勢上昇波の起点となった水準であり、
ここを完全に下放れた場合は中勢上昇波の終了を示唆するものと認識されやすく、
一段の下値摸索も覚悟すべしとなる。
個人投資家による信用取引の追い証発生に伴う売りも想定され、
値頃感が台頭する水準まで下落圧力が強まる可能性がある。

テクニカル面では、8752円(1月15日高値10982円から2月9日安値9867円までの下げの二層倍)、
8680円(08年10月安値6994円から今年4月高値11408円までの上げの61.8%押し)、
8505円(6月9日安値9378円から6月21日高値10251円の上げの倍返し)などの
下値目処をテストする展開も想定されてくる。
ただし、日経平均株価の一株当り純資産は8590円前後と試算されるだけに、
これらの下値目処を試す場面があれば、押し目買い好機として意識が高まる可能性が高いだろう。

物色の対象は、投資家のリスク回避姿勢に変化がみられない場合は、
薬品株などのディフェンシブ系の高配当利回り銘柄への物色意欲が一段と高まりそうだ。
一方、目先底入れから反転へ転じる場合は、
輸出関連株を中心とする「リターン・リバーサル」の動きが主流になろう。
また、公募増資の正式発表によるアク抜け期待が肩透かしとなったみずほFG<8411 >だが、
昨年の同時期も公募価格決定から反発へ転じた経緯もあり、
7/13以降の公募価格決定日が接近するにつれて、金融株全般の反発気運を誘う期待はある。
また、7/11投開票の参院選を控え、与党が過半数を確保する情勢が強まる場合には、
環境・エネルギーなどを重点項目に設定した「成長戦略」関連銘柄にも物色の矛先は向かいそうだ。