米国の早期利上げ観測が大幅後退、

基本的にドル上値が重い展開



6月26日(土)14時10分配信 フィスコ



「米経済指標悪化、景気認識下方修正で89円台に下落」
6/21-25のドル・円は、中国人民銀行声明(19日)「人民元相場の柔軟性を高める」を受けて、
21日に90円付近へ下落スタートしたが、人民元の対ドル基準値(6.8275元)が
18日と変わらなかったことが失望となり買い戻され、91円48銭まで上昇。
ドル・人民元は6.7900元まで下落し、2005年7月の切り上げ以降の人民元高値更新が始まったが、
22日には中国大手国有銀行の大規模なドル買い・人民元売りで6.82台に反発、
ユーロ・ドル、ユーロ・円が反落し、ドル・円も連れて反転した。
その後、欧州銀行の損失拡大懸念や予想外に減少した米5月中古住宅販売件数を受けて欧米株式市場が下落し、
リスク回避の動きが再燃。米連邦公開市場委員会(FOMC)での景気認識の下方修正、
米5月新築住宅販売件数が過去最低に落ち込み、
米1-3月期GDP確報値が下方修正となったことで89円21銭まで下落した
(ドル・人民元は25日6.7856元まで人民元高が進んだ)。

「基本的にドルの上値が重い状態での取引」
6/28-7/2のドル・円は、米早期利上げ観測の大幅後退により基本的にドルの上値が重いなかで、
人民元から欧州信用問題に関心が戻り、株式・金融市場の動向を意識した取引になりそうだ。
中国の人民元切り上げが緩やかなペースで行われることが確認され、材料になりにくくなったが、
米議会の不満は依然強く、今後の駆け引きが注目される。
経済指標では、米国の6月雇用統計の発表(7月2日)が注目され、
改善が示されれば金利先高観が盛り返してドル買いにつながり、改善の足踏みが続けば、
ドルの上値は重いままになる。日本では6月調査日銀短観の発表(1日)があり、改善が見込まれている。

6/26-27のG20サミット(トロント)では、財政健全化、金融危機対応、均衡ある成長などが優先課題になる予定だが、
議長国のカナダは財政健全化に積極的な姿勢をみせ(銀行税には消極的)、
EUは世界的な金融取引税の導入を正式に要請、米国は経済成長に関し焦点をあてるべきと主張しており、
協調が図れるのか動向が注目される。

中国人民銀行が19日に「人民元相場の柔軟性を一段と高める」との声明を発表し、
人民元の変動を再び認め、切り上げを再開する方針を示唆。21日からの動きをみれば、
許容変動幅(0.5%)内での緩やかな人民元上昇を容認しようとする姿勢がうかがえる。
「G20で、中国の人民元相場の弾力性を高める決定を歓迎する声明を出す方針」(EU筋)であり、
人民元問題は議題にならないようだが、
「一部諸国は人民元に関する更なる詳細を求める可能性」(フレアティ加財務相)はある模様。

ただ、米国内においては、シューマー米上院議員「人民元の弾力化表明でも上院議員の怒りは収まっていない」、
「法案は容易に通過すると楽観視」、ボーカス米上院財政委員長「中国が為替で取った動きはほんのわずか」
などの発言をみるにつけ、不満は解消されていない。
今後も中国に対する制裁法案制定の動きは続きそうであり、
米財務省が来月発表する為替報告書で中国を為替操作国と認定するかどうかについては、
まだ不透明感がある状況になっている。

米国の金融政策については、22-23日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、
政策金利(FF金利誘導目標水準)を0-0.25%レンジで据え置くことを決定。
「経済状況は、超低金利を長期にわたり維持することを正当化する可能性」として、
超低金利政策の長期間継続を再確認した。
景気については、「経済回復は継続」とし(4月は「経済活動は引き続き強まった」)、現状の判断をやや後退させた。
個別は「雇用は緩やかに改善」(4月「雇用市場は改善し始めた」)、
「住宅着工件数は依然、低迷」(4月「住宅着工件数は底這い」)などに下方修正した。
また、「金融の状況は、海外の動向を反映し、総じて成長の支援の度合いが弱まった」と指摘。
これらを受けて、政策金利は来年まで現行の実質ゼロ水準で据え置かれるとの見方が広がっている。
なお、米国の金融規制改革法案については、7月4日までの成立を目指しており、
改革法成立によるマーケットへの影響が注目される。

24日に参院選が公示され、7月11日の投開票に向けて選挙戦がスタートしている。
定数242議席の半数である121議席が改選される(うち民主党54議席)。
民主党は非改選議席が62であり、単独で過半数(122)となるためには60議席が必要。
また、国民新党の非改選議席は3なので、与党で過半数となるためには57議席が必要。
争点は、財政健全化(消費税)や米軍普天間基地移設問題などとなる。

6/28-7/2の主な予定は、28日(月):(米)5月個人所得・消費支出、
29日(火):(日)5月失業率・有効求人倍率、5月鉱工業生産速報値、5月全世帯家計調査、
(米)4月S&Pケース・シラー住宅価格指数、6月消費者信頼感指数、30日(水):(米)6月ADP全米雇用報告、
6月シカゴ購買部協会景気指数、1日(木):(日)6月調査日銀短観、(米)6月ISM製造業景気指数、5月建設支出、
5月中古住宅販売成約指数、2日(金):(米)6月雇用統計、5月製造業受注、(5日、米独立記念日で休場)。



[予想レンジ]
ドル・円88円00銭-91円00銭